ユーロ圏10月消費者物価指数（HICP）予想
本日、ユーロ圏の10月消費者物価指数（HICP）速報値が発表されます。前回9月は概ね予想の範囲内に収まりました。全体がやや高い数値でしたが、コアはまだECBのインフレ目標値手前で推移しています。
今回予想は全体が上昇、コアが横這いになっています。昨日のECB金融政策会合後、ラガルド総裁の記者会見でも、「9月に3.4％まで上昇したが今年は更に上昇し、来年には低下すると予想している」と述べています。上昇の主因はエネルギー価格の上昇、パンデミック後の需要＞供給の状況、ドイツ付加価値税削減の終了を挙げています。その意味で、コアのHICPが横這い予想ですので、ECBが心配するほどのものではなく、ほぼ見立てに沿った内容にあると思います。
市場にとっては予想レンジ上限を超える結果となった場合のみサプライズになりそうで、昨日はユーロが買われましたので、続伸の材料とされそうです。
ユーロ圏HICP
(今回発表予想）2021年10月29日9時現在
ユーロ圏消費者物価指数（HICP）前年同月比ベース推移
（黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2％）
尚、9月公表のECB見通しでは、2021年末のHICPコア（上図のオレンジ色に相当）が2.2％（6月時予想1.9％）に上方修正されており、仮にレンジ上限が出てもECB予想範囲内と言えそうです。
尚、以下は本日発表予定の主な経済指標です。
（2021年10月29日9時現在）
水曜日のECB金融政策見通しで添付しましたユーロドルの日足チャートでは最初の抵抗線1.1660を越えました。次の強い抵抗線は1.1750にあります。
下図はユーロドルの週足チャートです。2020年3月底値から上げたサポートA（＝1.2130）は既に切れており、ユーロ安の流れが継続しています。年初の高値からの抵抗線B（＝1.2190）に沿ってユーロは下落しており、ここから平行線に下したC（＝1.1550）でユーロ安トレンドを形成しています。現在は4週続けてユーロジリ高推移で、6月初高値からの抵抗線D（＝1.1720）を越えられるかを試す流れにいます。越えた場合には日足の1.1750の抵抗線もありますが、むしろ大台代わりの1.20方向をトライする流れになりそうです。逆にDで止められると再度C方向の流れに戻されます。
（2021年10月29日10:50、 1ユーロ＝1.1678ドル）
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