トルコリラ円週報:『約2カ月ぶり高値圏へ急伸。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』(4/27朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約2カ月ぶり高値となる4.86円まで急伸しました。

トルコリラ円週報:『約2カ月ぶり高値圏へ急伸。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』(4/27朝)

『約2カ月ぶり高値圏へ急伸。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』

〇今週のトルコ円、週初の4.75から週末にかけ4.86まで急伸
〇中東情勢緩和、トルコ指標好調、トルコ中銀のタカ派姿勢、およびドル円での円安進行が背景
〇テクニカルの地合い好転、ファンダメンタルズもトルコ経済復調期待、中銀のタカ派姿勢等がサポート
〇当面はドル円とのシンクロ相場(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)続くか
〇トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー5.00

今週のレビュー(4/22−4/26)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.75円で寄り付いたあと、早々に週間安値4.73円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)中東情勢を巡る緊張感の緩和(地政学的リスク後退→新興国通貨に上昇圧力)や、(2)トルコ4月消費者信頼感指数(結果80.5、前回79.4)の前月比改善、(3)トルコ4月設備稼働率(結果76.7%、前回76.2%)の前月比改善、(4)トルコ中銀による追加利上げ示唆(トルコ中銀は4/25に開催された金融政策決定会合で市場予想通り政策金利の据え置きを決定するも、声明文にて「インフレリスクに対する高い警戒感」を改めて示すと共に「月次インフレの下落傾向が顕著かつ持続的となるまで金融引き締め姿勢を維持する」とのタカ派的なスタンスを維持)、

(5)日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見のハト派的な結果(円安への対応策が示されなかったことを受けて対主要通貨で円が急落→ドル円相場が約34年ぶり高値圏へ急伸→トルコリラ円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値4.86円(2/26以来、約2カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/27午前2時00分現在)では、4.85円前後で推移しております。

来週の見通し(4/29−5/3)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/13に記録した史上最安値4.52円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約2カ月ぶり高値となる4.86円まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)を軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待(先月以降に発表されたトルコ経済指標は総じて良好な結果)や、(2)トルコ中銀の追加利上げ観測(今週開催されたトルコ中銀会合では政策金利の据え置きが決定されましたが、声明文はタカ派的なスタンスを維持→実質金利のマイナス幅縮小期待)、(3)トルコに対する市場プレゼンスの改善(外国人投資家によるトルコアセットへの資金流入期待)、(4)日銀による追加利上げ観測後退、(5)日本政府・日銀による介入警戒感の後退、(6)上記4、5を背景とした円売り圧力(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)など、トルコリラ円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

日本政府・日銀による介入警戒感や米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測など、懸念要因も燻っていますが、当面はドル円とのシンクロ相場(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)が続くと見られることから、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目5.00を試すシナリオを想定)。尚、来週は、トルコ4月経済信頼感指数や、トルコ4月イスタンブール製造業PMI、トルコ3月貿易収支、トルコ4月消費者物価指数、トルコ4月生産者物価指数など、トルコ国内の重要経済指標が目白押しとなります。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.70ー5.00

注:ポイント要約は編集部

『約2カ月ぶり高値圏へ急伸。ドル円とのシンクロ相場が続く見通し』

トルコリラ円日足

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