南アランド円週報:『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』(4/27朝)

南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1年10カ月ぶり高値となる8.38円まで急伸しました。

南アランド円週報:『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』(4/27朝)

『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』

〇今週の南ア円、米金利上昇、プラチナ価格の不冴え等に週前半8.03まで下落
〇売り一巡後は、地政学的リスク後退、南ア指標の改善、ドル円の急伸に8.38まで急伸
〇テクニカルには主要テクニカルポイント上抜け、強い買いシグナルも点灯、地合い好転
〇ファンダメンタルズも南アランド円相場の続伸を連想させる材料揃う
〇当面は円独歩安の流れが続くと見られ、南ア円相場の見通しを「ベア」から「ブル」へと変更
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.20ー8.50

今週のレビュー(4/22−4/26)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.09円で寄り付いた後、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米金利上昇→南アフリカから米国への資金流出圧力)や、(2)プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)が重石となり、翌4/23にかけて、週間安値8.03円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)中東情勢を巡る緊張感の緩和(地政学的リスク後退→新興国通貨反発)や、(4)南ア2月景気先行指数(結果112.8、前回110.9)の前月比改善、(5)日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見のハト派的な結果(円安への対応策が示されなかったことを受けて対主要通貨で円が急落→ドル円相場が約34年ぶり高値圏へ急伸→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.38円(2022年7月以来、約1年10カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/27午前1時30分現在)では、8.37円前後で推移しております。尚、今週発表された南ア3月生産者物価指数(結果+4.6%、予想+4.5%)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(4/29−5/3)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1年10カ月ぶり高値となる8.38円(2022年7月以来の高値圏)まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象付けるチャート形状となっております。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)中東を巡る地政学的リスクの後退や、(2)日銀による追加利上げ観測の後退(今週開催された日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見は総じてハト派的な内容)、(3)日本政府・日銀による介入警戒感の後退(イエレン米財務長官が「為替介入は非常にまれで例外的な状況でのみ許容される」と日本の為替介入を牽制した他、植田日銀総裁も「基調的な物価に対して円安は今のところ大きな影響出ていない」と円安容認とも受け止められる発言を実施)、(4)上記1、2を背景としたドル円・クロス円相場の急上昇(南アランド円連れ高)など、南アランド円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

南アフリカ経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念)や、南アフリカの政局不透明感(5/29に開催予定の南ア選挙で与党ANCが大幅に議席を失うリスク)、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米金利上昇・米ドル高は新興国通貨に下押し圧力)など、懸念要因も燻っていますが、当面は円独歩安の流れが続くと見られることから、当方では南アランド円相場の見通しを「ベア」から「ブル」へと変更いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.20ー8.50

注:ポイント要約は編集部

『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』

南アランド円日足

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