政治不安や中東情勢の緊迫化など外部環境に振らされる展開に
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、中東情勢の緊迫化などが影響して週末にかけては、一時8.0円台を割り込む場面も見られた。
週初から南アフリカの主要株価指数のヨハネスブルグ40及びFTSE South Africaが急落し、両指数は週間ベースでは3%ほど下落する展開となり、ランドも軟調推移となった。17日に発表された3月消費者物価指数(CPI)は、コア含めやや市場予想を下回る結果となったが、ランドへの影響は限定的となった。
市場では、米金利引き下げ観測の後退に伴うマネーの変調などが嫌気されて、日米株価指数は下落。週末には、イランとイスラエル間の報復に伴う中東情勢の緊迫化を受けて、ドルと安全資産である円が買われる展開に。ランドは急落し、一時8.0円台を割り込む場面もみられた。
ランド・円(東京時間:4月15日―4月19日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.1267円
高値:8.1866円
安値:7.9283円
終値:8.0752円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
4月17日
17時00分、3月CPI(前年比)、前回:5.6%、市場予想:5.4%、結果:5.3%
17時00分、3月CPI(前月比)、前回:1.0%、市場予想:0.9%、結果:0.8%
17時00分、3月CPI(コア)(前年比)、前回:5.0%、市場予想:4.9%、結果:4.9%
17時00分、3月CPI(コア)(前月比)、前回:1.2%、市場予想:0.8%、結果:0.7%
20時00分、2月小売売上高(前年比)、前回:−2.0%、市場予想:−1.3%、結果:−0.8%
20時00分、2月小売売上高(前月比)、前回:−3.2%、市場予想:1.2%、結果:0.4%
4月23日
16時00分、2月先行指標、前回:110.8
4月25日
18時30分、3月PPI(前年比)、前回:4.5%、市場予想:4.6%
18時30分、3月PPI(前月比)、前回:0.5%、市場予想:1.1%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、南アフリカ経済よりも、中東情勢や日本当局による円買い介入の有無、米金利動向など外部環境に振らされる展開となり、短期的な調整入りを見極める地合いとなりそうだ。
先週の3月CPI同様、今週の3月PPIも重要な経済指標だが、イラン・イスラエル間の報復合戦がエスカレートすると、新興国を中心にリスクマネーの逆流が発生するだろう。地政学リスクが高まった際のワンパターンだが、中東情勢の緊迫化はランドの売り要因となる。
東京時間21日20時時点で、イスラエルは公式発表をしておらず、イランは国営テレビによる「3機のドローンを破壊」報道や、「ドローンによる攻撃だが、被害は無く死傷者もいない」とのアブドラヒアン外務大臣のコメントをイランメディアが報じた程度に留まっている。今のところ双方ともに全面戦争に対する抑制的な反応を示しているが、予断を許さない状況は変わらない。
南アフリカは、こうした中東情勢の緊迫化に、5月29日の総選挙に伴う政治不安ものしかかっていることで、積極的なランド買いは手控えられよう。また、日本当局による円買い介入はいつ入ってもおかしくない水準(ドル・円)であることも乱高下の要因となる。
テクニカルでは、日足の一目均衡表の転換線が下向きとなっており、基準線水準の攻防を迎えている。遅行スパンはまだ実線より上を推移しているが、昨年11月以来となる8.3円台手前で失速したことで短期的には調整入りか。先週末は、50日移動平均線が位置する水準で長い下影(下ヒゲ)を残した。この下影で、短期的な調整が一巡したか確認する週となろう。
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
南アランド円週報:『円独歩安の影響を受けて約1年10カ月ぶり高値圏へ急上昇』(4/27朝)
南アランドの対円相場は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約1年10カ月ぶり高値となる8.38円まで急伸しました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.20
南アランド週報:『米利下げ観測後退と中東情勢緊迫化の二重苦で約3週間ぶり安値圏へ下落』(4/20朝)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.12円で寄り付いた後、早々に週間高値8.18円まで上昇しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。