欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表
昨日、10月開催のECB金融政策会合要旨が記者発表されました。事前の予想通り政策金利に関しては全て据え置きになりました。金利や債券購入に関する記者発表要旨は前回とほとんど変わっていません。しかしながらラガルド総裁は記者会見で、PEPPは購入期限である2022年3月末には終わると信じていると述べました。次回12月(16日予定)会合には経済見通しの改定もありますので、市場は12月に、コロナからの回復度合い、GDP成長、あるいはインフレ状況に関して一段と踏み込んだ内容が出ると期待しています。
(記者発表要旨)
運営審議会は、PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)下での純債券購入は、今年第2四半期や第3四半期よりも緩やかなペースでも、好ましい金融情勢が維持できると引き続き判断した。
また、運営審議会はその他の措置、すなわち主要なECB金利水準、将来の展開に関するフォワードガイダンス、資産購入プログラム(APP)下での購入、再投資政策、長期借り換え業務について確認した。
主要なECB金利
主要な借り換え業務に関する金利や限界貸付金利、あるいは中銀への預金金利はそれぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%で据え置いた。
シンメトリックな2%インフレ目標と金融政策戦略に沿った支援に関しては、インフレが見通し期間終了前に2%に達し、かつ残りの期間はそのままの状況が続くと予想でき、さらにそれが中長期的にも安定した2%のインフレの基盤たりうると判断するまで、ECBが現行の金利水準を維持することを期待する。これはインフレが目標を越える一時的な期間があることを含んでいる。
資産購入プログラム(APP)
APP下で購入する純資産は月額200億ユーロのペースを継続する。運営審議会は、政策金利の緩和的影響を補強するに必要とする限り、APP下での月次資産購入を継続すると予想している。そしてECB金利を引き上げ始める直前に終了する。
また、運営審議会は、APPの下で購入し、満期が到来した投資元本全額の再投資を継続する意向である。それは主要ECB金利引き上げ開始時点前の期間まで延長される。好ましい流動性状況や十分な緩和状況を維持するために必要な限りである。
PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)
運営審議会は少なくとも2022年3月末まで、総額1兆8500億ユーロのPEPPの下で、純資産購入を実施し続ける。いずれにせよ、コロナウィルス危機局面が終了したと判断する迄である。
運営審議会は、PEPPの下での純債券購入は、今年の第2四半期や第3四半期よりも緩やかなペースでも、好ましい金融情勢が維持できると引き続き判断した。
運営審議会は市場情勢やインフレへの予想される道のりに関し、パンデミックによる下方圧力への影響に対抗することで、それと調和しない金融情勢のタイト化を防ぐ見方があれば柔軟に購入を行う。加えて、資産クラスを越え、管轄区域内での柔軟な購入により金融政策のスムーズな伝達を支え続ける。もし、好ましい金融情勢が、PEPPでの純資産購入で総額を使い果たさないで資産購入フローの中で維持されることが出来るなら、満額は完全に使用される必要はない。同様に、もしインフレへの道のりに対し、パンデミックの負の影響により、好ましい金融情勢を維持することが求められたなら、この総額は再調整される。
運営審議会はPEPPの下で購入された満期債券の投資元本の再投資を、少なくとも2023年末まで行う。いかなる場合でも、PEPPポートフォリオの将来の元本償還は適切な金融政策スタンスへの妨害を避ける様に扱われるだろう。
運営審議会は、インフレが中期に亘り2%目標で安定出来る様に、必要に応じて、全ての手段を調整する用意がある。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
ユーロドル相場はPEPP購入が期限通りの来年3月には終わると予想しているとのラガルド総裁発言にユーロが買われました。まだ情勢次第では不透明ですが、テーパリングの第1歩としてユーロ買いの材料と受け止めています。
尚、ユーロドルの相場に関しては、本日のユーロ圏消費者物価指数(HICP)をご参照願います。
(10月29日13:10、1ユーロ=1.1676ドル)
オーダー/ポジション状況
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