欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(21/10/27)

2021年10月28日:東京時間20時45分、ラガルド総裁記者会見は21時30分

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(21/10/27)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

開催中のECB金融政策会合の要旨が明日28日に記者発表されます。その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。 今回のECB会合に際し、前回に続き全てのエコノミストが政策金利やその他の金利に関する政策は据え置きを予想、レンジ幅もありません。

欧州中央銀行政策金利予想(10月27日15時00分現在)

欧州中央銀行政策金利予想(10月27日15時00分現在)

今回の注目点は
@ 基本的に年内までは現行の金融政策を変えないとの見方が大勢です。
A パンデミック債購入(PEPP)のテーパリングに関しては、次回12月(16日木曜日予定)会合でその議論を行い、その後にコメントが出る可能性ありとみています。尚、PEPP購入期限は2022年3月末ですので、万一、今回の会合でこの期限に言及し、例えば購入期限延長などを示唆するとユーロには弱い材料となり得ます。
B 据え置きの主な要因は、第2・3四半期にGDP拡大やインフレが上昇しましたが、現状はコロナウィルス終息には程遠く、独連銀の報告にもある様に第4四半期には減速する可能性高いとの見通しです。
C また、9月にユーロスタッフによる経済見通しが改定されましたが、下表の通りになっています。

欧州中央銀行政策金利予想(10月27日15時00分現在) 2枚目の画像

2021年のGDPとHICPが上方修正されていますが、2022年は前年がベースですので、少し下がる予想になっています。
注目されるのは9月HICPが+3.4%(コアは+1.9%)まで上がり、下図の9月時点のECB予想よりも高い結果になりました。そして29日金曜日には10月HICP速報値が発表されます。現在の予想は+3.7%(コア+1.9%)となっており、ECB内では既にこの辺りの数値を認識していると思いますので、見通しより2ヶ月連続で越えるかもしれない数値に対するコメントがあるかに注意します。

欧州中央銀行政策金利予想(10月27日15時00分現在) 3枚目の画像

(記者発表要旨と経済見通しの出所:ECB HPから)

(記者発表要旨)

尚、前回(9月9日)会合の記者発表要旨の一部(資産購入に関する項目のみ)は以下になっています。

資産購入プログラム(APP)

APP下で購入する純資産は月額200億ユーロのペースを継続する。運営審議会は、政策金利の緩和的影響を補強するに必要とする限り、APP下での月次資産購入を継続すると予想している。そしてECB金利を引き上げ始める直前に終了する。
また、運営審議会は、APPの下で購入し、満期が到来した投資元本全額の再投資を継続する意向である。それは主要ECB金利引き上げ開始前の時点まで延長される。好ましい流動性状況や十分な緩和状況を維持するために必要な範囲で実行される。

PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)

運営審議会は少なくとも2022年3月末まで、総額1兆8500億ユーロのPEPPの下で、純資産購入を実施し続ける。いずれにせよ、コロナウィルス危機局面が終了したと判断する迄である。

金融情勢とインフレ見通しの共同査定に基づき、運営審議会は好ましい金融状況がPEPPの下での純資産購入が過去2四半期よりも緩やかに少ないペースでも維持することが出来ると判断した。

運営審議会は、市場情勢や、インフレへの予想される道のりに関し、パンデミックによる下方圧力への影響に対抗することで、それと調和しない金融情勢のタイト化を防ぐ見方があれば柔軟に購入を行う。加えて、資産クラスを越え、管轄区域内での柔軟な購入により金融政策のスムーズな伝達を支え続ける。もし、好ましい金融情勢が、PEPPでの純資産購入で総額を使い果たさないで資産購入フローの中で維持されることが出来るなら、満額は完全に使用される必要はない。インフレへの道に対するパンデミックの負の影響に対処するために、好ましい金融情勢を維持することが求められたなら、この総額は再調整される。

運営審議会はPEPP下で購入された満期債券の投資元本の再投資を、少なくとも2023年末まで継続する。いかなる場合でも、PEPPポートフォリオの将来の元本償還は適切な金融政策スタンスへの妨害を避ける様に扱われるだろう。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの日足チャートです。ラインA(=1.1470)は今年6月中旬の底値を起点にして各底値を結んでいます。ここから平行に上げたB(=1.1660)と更に一段上げたC(=1.1750)でユーロ安トレンドを形成しています。直近は10月12日底値を起点としたサポートD(=1.1595)に沿って上昇していましたが、ラインBに3回も上値を止められています。そして昨日は下ヒゲでDを切っており、今回の戻りもBまでになる可能性があります。
BとDでは1.1595〜1.1660の狭いレンジですので、明日のECBで決着する可能性が高いと思います。

(記者発表要旨)

(2021年10月27日15:10、1ユーロ=1.1596ドル)

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