トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値12.77レベル、高値13.00レベルでの取引
〇新興国通貨が全般に売りが目立つ中、トルコリラはメジャー通貨と似た動きで底堅い
〇パウエルFRB議長講演でのテーパリングに関する内容次第で、新興国通貨の動きに影響出る予想
〇中銀の引き締めスタンス堅持がトルコリラを支えるが、一方的なトルコリラ買いの動きも考えにくい
〇今週は12.80レベルをサポートに、13.10レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「緩やかな上昇チャンネルとテクニカルなターゲットをベースに、12.70レベルをサポートに、12.95レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.77レベル、高値が13.00レベルとなり、予想レンジよりも若干トルコリラ高の一週間となりました。
先週のトルコリラは、週前半はトルコリラ買い、週後半はトルコリラ売りでほぼ週初の水準での引けとなっていますが、新興国通貨が全般に売りが目立っている中でトルコリラは健闘していると言えます。どちらかというと、ドル円等メジャー通貨と似た動きを示し、ドル円とのスピード差で当初はトルコリラ買い、後半は木曜の株安によるリスクオフから円高の動きが目立ったためトルコリラ円にも売りが目立った一週間だったというイメージです。
先週こそ米国のFOMC議事録公表をきっかけとした動きには影響が無かったものの、今週はジャクソンホールでパウエルFRB議長がどのような講演を行うか次第で、新興国通貨は上にも下にも動く可能性がありあます。ただ、日程的に金曜NY市場の時間となるため、今週よりは来週の材料ということになりそうです。
個人的には先週のコラムや今週のドル円週報に書いている通りで、パウエルFRB議長は議事録や直近の市場参加者の思惑よりもハト派なスタンスを維持すると考えていますので、そうであるならば新興国通貨にとっては好材料です。しかし、パウエル議長もこれまでの発言よりもテーパリングに一歩近づいたといったような発言を行うと、新興国通貨にとっては悪材料です。これは米金利上昇が高金利通貨から米ドルへの回帰のきっかけとなることによるものですが、先週の動きを見ている限りトルコリラにとってはインパクトが小さい可能性が高そうです。
最近のトルコリラの底堅さは、やはり中銀の引き締めスタンス堅持が支えになっていますが、洪水の影響も残っていますし、エルドアン大統領によるタリバンへのあらゆる協力といった発言が今後アフガニスタンの秩序回復の助けになるかどうか、不透明な要因もあるため、一方的なトルコリラ買いという動きも考えにくいところです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先週までは6月21日安値を起点としたサポートラインとそれに平行に引いたラインとで上昇チャンネル(ピンク)を引いていましたが、先週前半のトルコリラ買いで平行ラインを上抜ける動きもあり、今週は上側のラインを引き直しました。また、この上昇チャンネルとは別に先々週安値を起点としたサポートラインとそれと平行に引いたラインとの上昇チャンネル(青)を引くことも可能で、短期的にはこちらのチャンネルの方が現状の上昇ペースにフィットしているように思えます。
そこで、今週は青の上昇チャンネルの上下のラインの位置を参考に12.80レベルをサポートに、13.10レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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