ドル買い優勢、110.22円超えへの期待も
〇ドル円、緩やかな右肩上がりで夕方にかけ110円直前まで上値を伸ばす
〇モリソン豪首相が国境封鎖やロックダウンによる「コロナ市中感染ゼロ」を目指す戦略を断念
〇本日は7月シカゴ連銀全米活動指数や米8月製造業PMI速報などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.30
〇本日超えられなかった110円が最初の抵抗。超えれば110.22、110.80などがターゲット
〇ドル安・円高方向は19日安値109.49が目先下値メド、前日もほぼ同じレベルで下げ止まり
<< 東京市場の動き >>
週明け23日の東京市場はドルが小高い。値幅は狭いが「寄り付き安・大引け高」の展開で、見た目以上にドルは強かった。
先週末、アフガニスタン政権が崩壊して一週間。タリバンで新政権樹立の動きが観測されるなど、市場筋の関心は依然として高い。一方、実施された横浜市長選で菅首相肝煎り候補が惨敗、このあとの自民党総裁選あるいは衆院選へ向け暗雲が垂れ込めてきた。
そうした状況下、寄り付いたドル/円は109.70-75円を日中安値に緩やかな右肩上がり。値動きは30ポイントにもとどかなかったが、それでも全般的にドル買い・円売りが目に付いた。夕方に掛けて上値を伸ばすと110円直前まで。16時現在では、そのままドル高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、前述したような環境下、「独露首脳」など二国間のトップクラスによる協議が複数観測されている。ただ、西側諸国からの厳しい見解に対し、たとえばプーチン大統領が「他国は自国の価値観をアフガニスタンに押し付けるべきではない」と述べるなど、中露からは容認コメントが依然として少なくなかったようだ。なお、それとは別にイラン大統領からアフガン情勢めぐりバイデン政権を非難するコメントが聞かれたほか、G7議長国である英国のジョンソン首相による「24日にG7首脳会議を開く」旨の発言が観測されている。
対して後者は、米国土安全保障省が、新型コロナ感染拡大にともなって導入したカナダ、メキシコとの不要不急の陸路入国制限を9月21日まで延長することを決定するなど、米国の国内感染状況もまだまだ予断は許さず。そうしたなかABCニュースは、モリソン豪首相が厳格な国境封鎖やロックダウンによって新型コロナウイルスの「市中感染ゼロ」を目指す戦略を断念したことを認めた、と報じ物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間は株高の動きもあり、ドル/円はドル買い優勢。110円台回復を意識した展開をたどっている。このあとも、流れを継ぐ格好でドル続伸、110.22円という先週高値をめぐる攻防にまずは注目だ。超えた場合には110.80円が次のターゲットとなるものの、昨年来の相場はダマシも多いだけに、「高値掴み」などにも注意しておきたい。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況はいまだ変化なく、今週最大の材料は、週末に向けて開催されるジャクソンホール会合か。それをにらみ、しばらくは思惑の交錯した状況が続くとの見方も取り沙汰されているが、本日も8月の製造業PMI速報はじめとする米経済指標の発表や、「新型コロナ」や「アフガン情勢」などの波乱要因を内包しているだけに予断は許さない。また東京時間、時間外取引で堅調に推移したNYダウをはじめとする米株の動きにも引き続き要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週形成した短期の109.11-110.22円という新レンジをめぐる攻防にまずは注視。本日東京に110円台回復をうかがう展開をたどったことからすれば、敢えてリスクを指摘すれば上方向という気もするが、果たして続伸しレンジを上抜けることができるのだろうか。
なお、ドル弱気派からは、上値トライが失敗に終わった際のドル下落、一転しての下値追いリスクを警戒する声も聞かれていた。
材料的に見た場合、中長期的には、意見の対立が目立つ日米欧と対抗するためロシアとの接近も著しい「中国情勢」、横浜市長選惨敗を受けて菅首相への求心力低下が取り沙汰される「日本の政局」、「新型コロナウイルス変異種(デルタ株)」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のシカゴ連銀全米活動指数や8月の製造業PMI速報などが発表される予定だ。それに対して要人の講演や国際的な会合などは特段予定されていないものの、たとえば「アフガン情勢」等をにらみ、イレギュラーなものが実施される可能性もある。注意はしておきたいところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.30円。本日東京で超えられなかった110円が最初の抵抗。超えれば110.22円、そして110.80円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、19日安値に当たる109.49円が目先の下値メド。前日もほぼ同じレベルでドルは下げ止まっている。割り込んだ場合には109.11円を目指す展開か。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.08.24
ドル円、ジャクソンホールを控え、値幅を伴いながらも方向感の定まらない展開(8/24朝)
週明け23日(月)のドル円相場は乱高下しつつも方向感見出せず。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2021.08.23
ドル円 パウエル議長講演までもみあい(週報8月第4週)
パウエル議長講演に全ての注目が集まりますので、それまでは多少の動きが出ても方向感は無く、上がったら売り、下がったら買いの流れになってくるでしょう。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。