トルコリラ円見通し 8月20日の乱高下後は確りでジリ高基調、観光客も7割戻る(21/8/24)

トルコリラ円の8月23日は13.02円から12.88円の取引レンジ、24日早朝の終値は13.00円で先週末20日終値12.91円からは0.09円の上昇となった。

トルコリラ円見通し 8月20日の乱高下後は確りでジリ高基調、観光客も7割戻る(21/8/24)

8月20日の乱高下後は確りでジリ高基調、観光客も7割戻る

〇トルコリラ円、20日に下げたところから上昇し23日夜には13円台に到達
〇対ドルでは全般的なドル安で終日リラ高基調の推移、24日早朝に8.39へ高値切り上げ
〇8/27のパウエル議長講演前段階として売られてきたものが買い戻されている印象
〇トルコ文化観光省発表の7月海外からの渡航者数436万952人、6月204万7596人から倍増
〇トルコ8月消費者信頼感指数は78.2で7月から若干低下、今年3月までの上昇からは鈍化傾向
〇12.90以上での推移中は上昇余地ありとして13.10前後を試すとみる
〇12.85割れからはいったん下げに入るとみて20日夕安値12.74前後を目指す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月23日は13.02円から12.88円の取引レンジ、24日早朝の終値は13.00円で先週末20日終値12.91円からは0.09円の上昇となった。
8月20日早朝にはドル/トルコリラがフラッシュクラッシュ的に一時的なドル安リラ高を発生させたためにトルコリラ円も13.24円へ一時的に急伸してから早々に元の水準の12.85円近辺まで押し返されたが、20日夕刻に12.74円まで揺れ返しで下げたところからは再び上昇気配となり23日夜には13円台に到達した。
8月23日はドル円が夕刻に110.14円まで上昇して19日昼高値110.22円へ迫った局面でトルコリラ円もやや持ち上げられたもののドル円は深夜に失速したためにトルコリラ円への押し上げ効果も一時的だった。

【先週までのドル高一服でユーロ等が反騰、ドル安リラ高に寄与】

ドル/トルコリラの8月23日は8.49リラから8.40リラの取引レンジ、24日早朝の終値は8.41リラで先週末20日終値の8.48リラからは0.07リラのドル安リラ高となった。8月20日は早朝のフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高で8.25リラへ上昇、20日夕刻安値で8.55リラまでいったん下げてからリラ高を再開したが、23日は全般的なドル安基調でリスク選好感が高まったことで終日リラ高基調の推移となり24日早朝には8.39リラへと高値を若干切り上げてきている。

為替市場全般は先週の丸1週間をほぼドル高基調で推移して20日にはユーロドルと豪ドル等が年初来安値を更新、ポンドも7月20日安値に迫る下落となっていたが、8月19日未明の米FOMC議事録を挟んでのドル高も一服となり、週替わりからはややポジション調整的にユーロやポンド、豪ドル等が買い戻し優勢となった。8月27日のパウエル米連銀議長によるジャクソンホール・シンポジウムでの講演をきっかけにして為替市場も金融市場全般も大きく動くと思われるが、その前段階として売られてきたものがやや買い戻されている印象だ。
8月23日はNYダウが週末からの2連騰となりナスダック総合指数が取引時間中及び終値ベースの史上最高値を更新したことでリスク選好感も回復気味となった。米長期債利回りは全般的に小動きだったこともあり、為替市場としてはアジア株高から欧米株高へと続いた株高に背中を押された格好で先週の急落から戻したという印象だ。

【トルコの7月観光客数 400万人を超える】

トルコ文化観光省が23日に発表した7月の海外からの渡航者数は436万952人となり6月の204万7596人から倍増した。
コロナショックにより2020年7月は93万2927人にとどまり、コロナ前の2019年7月の661万7380人から激減したが、2021年は3月から前年同期を上回り始め、7月は2019年当時と比較して凡そ7割を回復した。
パンデミックは世界全体においては第三波に入っておりまだピークが見えず、トルコにおいても感染拡大の第四波が発生しているところだが、ワクチンの普及により欧州からの観光客は回復基調にある。7月入国者のトップ5はロシア、ドイツ、ウクライナ、フランス、オランダとなっており、8月も前年同月の181万人から2019年同月の630万人に対して7割回復を継続することも期待されるところだ。

8月20日の乱高下後は確りでジリ高基調、観光客も7割戻る

8月23日に発表されたトルコの8月消費者信頼感指数は78.2となり7月の79.5から若干低下した。市場の事前予想では80ポイント台への上昇も期待されていたがやや期待外れの内容だった。周期的に感染拡大も繰り返しているため、消費者動向としては慎重さも見られるところであり、今年3月に86.7まで上昇していたところから鈍化傾向にある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月20日早朝に一時的なドル安リラ高を背景に急騰したところの高値からいったん20日夕刻へ下げ、その後にジリ高基調で13円到達まで戻しているので、20日夕安値を起点として強気サイクルに入っていると思われる。高値形成期は25日早朝から27日朝にかけての間とし、12.85円以上での推移中は上向きとするが、12.85円を割り込む下落発生からは弱気サイクル入りと仮定して25日夕から27日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月20日早朝の一時的急騰で先行スパンを突破したもののその後の反落で先行スパンから転落したが、20日夕刻からの上昇で再び先行スパン突破を試している。このため先行スパンから再び転落しないうちは上昇余地ありとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は23日夕に70ポイント台へ到達してからは指数のピークが切り下がり気味で弱気逆行の気配がみられる。50ポイント以上での推移中は上向きとするが50ポイント割れからは下げ再開を警戒して40ポイント以下への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.90円を下値支持線、13.10円を上値抵抗線とする。
(2)12.90円以上での推移中は上昇余地ありとして13.10円前後を試すとみる。13.10円以上は反落注意とするが勢い付く場合は13.15円超へ向かう可能性もあるとみる。また12.95円以上での推移なら25日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.90円割れからは弱気転換注意とし、12.85円割れからはいったん下げに入るとみて20日夕安値12.74円前後を目指す下落を想定する。12.77円以下は反騰注意とするが、12.85円以下での推移なら25日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月24日
 19:00 7月 自動車生産台数 前年同月比 (6月 3.8%)
8月25日
 16:00 8月 製造業景況感 (7月 114.8)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 76.7%)
8月26日
 20:30 週次 外貨準備高 8/20時点 (8/13時点 673.6億ドル)
8月27日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 100.1)
8月31日
 16:00 7月 貿易収支 (6月 -28.5億ドル)

9月01日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 1.7%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 7.0%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 54.0)
9月03日
 16:00 8月 消費者物価 前月比 (7月 1.8%)
 16:00 8月 消費者物価 前年同月比 (7月 18.95%)
 16:00 8月 生産者物価 前月比 (7月 2.46%)
 16:00 8月 生産者物価 前年同月比 (7月 44.92%)

9月23日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 19.00%)

※ポイント要約は編集部

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