ドル円、約34年ぶり高値を一段と更新。本日は日銀会合と植田総裁会見がメインイベント(4/26朝)

25日(木)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、約34年ぶり高値を一段と更新。本日は日銀会合と植田総裁会見がメインイベント(4/26朝)

約34年ぶり高値を一段と更新。本日は日銀会合と植田総裁会見がメインイベント

〇ドル円、米1QコアPCEの市場予想を上回る結果と米金利上昇に米国時間朝方に155.75まで急伸
〇その後時事通信が日銀決定会合での国債買い入れ縮小観測を報じ、ドル円の上値を抑える
〇ユーロドル、1.07を挟んで方向感に欠ける動きの後、1.07台前半での推移
〇本日日銀政策決定会合結果公表、展望リポート、植田総裁会見に注目
〇量的引き締め開始の可能性、植田総裁の円安けん制発言要警戒
〇東京都区部4月消費者物価指数、米3月PCEデフレーター等も要注目
〇本日の予想レンジ:153.50ー156.50

海外時間のレビュー

25日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値155.20まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続や、(2)政府・日銀による実弾介入見送りに対する失望感(心理的節目155.00を突破したにも係わらず実弾介入に踏み切らなかったことで円を売り込む動きが一段と活発化)、(3)米1ー3月期コアPCE速報値(結果+3.7%、予想+3.4%)の市場予想を上回る結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米2年債利回りは昨年11/14以来の高水準となる5.01%へ急上昇、米10年債利回りは昨年11/2以来の高水準となる4.74%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約34年ぶり高値となる155.75まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)時事通信による「日銀は26日の日銀金融政策決定会合で国債買い入れ縮小の方法を検討し、事実上の量的引き締め局面に移行することになる」とのヘッドラインが重石となり、本稿執筆時点(日本時間4/26午前6時30分現在)では、155.60前後で推移しております。尚、昨日発表された米1ー3月期GDP速報値(結果+1.6%、予想+2.4%)は市場予想を下回る結果(米国におけるスタグフレーション懸念台頭)となりましたが、市場の反応は限られました。

25日(木)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)ドイツ5月GFK消費者信頼感調査(結果▲24.2、予想▲25.5)の市場予想を上回る結果や、(2)米1ー3月期GDP速報値(結果+1.6%、予想+2.4%)は市場予想を下回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0741まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米1ー3月期コアPCE速報値(結果+3.7%、予想+3.4%)の市場予想を上回る結果や、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、日本時間22時過ぎには、一転して安値1.0678まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4/26午前6時30分現在)では、1.0730前後で推移しております。尚、昨日はイタリア中銀パネッタ総裁より「ユーロ圏の長期的な経済停滞のリスクを食い止めるため適時かつ小幅な利下げが必要」との発言が見られましたが、ユーロ売りでの反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時155.75(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで続伸するなど、力強い動きが続いています。米1ー3月期コアPCE速報値が市場予想を上回ったことで、米FRBによる利下げ観測が一段と後退したことと、政府・日銀が為替介入に踏み切らなかったことに対する失望感の組み合わせが背景と考えられます。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合(+展望リポート)と、植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。

市場では現行政策の現状維持が見込まれているものの、時事通信が昨夜報じた通り、サプライズ的に国債買い入れの縮小(事実上の量的引き締め開始)に踏み切る可能性もあるため、警戒が必要でしょう。また、足元の円安進行を受けて、植田日銀総裁が記者会見で「円安に対する懸念」や「為替介入の可能性」について触れてくる場合にも警戒感が高まりそうです(市場では2022年9月22日の「日銀会合当日の為替介入」がフラッシュバック)。

もっとも、当方は、現行政策の現状維持+実弾介入なしの組み合わせ(イエレン米財務長官は昨日「為替介入は非常にまれで例外的な状況でのみ許容される」と発言しており、足元のようにファンダメンタルズに沿ったドル高・円安時は為替介入に踏み切りづらい)を想定しているため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁記者会見に対する思惑主導で一時的に下落しつつも、最終的に持ち直して一段高となる展開)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は上記以外にも、東京都区部4月消費者物価指数や、米3月PCEデフレーターなどの重要イベントが予定されております。

本日の予想レンジ:153.50ー156.50

注:ポイント要約は編集部

約34年ぶり高値を一段と更新。本日は日銀会合と植田総裁会見がメインイベント

ドル円日足

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