トルコリラ円レポート月曜版(2021年7月12日)

今週14日のトルコ中銀会合では、現状維持がコンセンサスです。

トルコリラ円レポート月曜版(2021年7月12日)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、12.56〜12.80レベルのレンジ、やや狭い値幅での動き
〇6月のCPI・PPI発表、予想よりも高いインフレ率、現在の高金利でもインフレは抑えきれていない様子
〇トルコ中銀会合で金利据え置きの予想広がる、トルコリラを対ドル・対円で下支えする材料となる
〇利下げという超ネガティブ・サプライズが無くても対ドル・対円ともに長期的なトルコリラ安の流れ
〇3週間以上横ばいでもみあい続く、もみあいの中心そのままに上下を若干狭めたレンジとなるか
〇今週は12.50レベルをサポートに12.85レベルをレジスタンスとする流れ

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「トルコ中銀会合を控えて横方向のもみあいを考え、12.55レベルをサポートに12.90レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.56レベル、高値が12.80レベルとなり、予想レンジ内でやや狭い値幅での動きとなりました。

先週のトルコリラですが、注目は週初に発表された6月のCPIとPPIでした。どちらも対前年比でCPIは予想が17.00%に対して17.53%、PPIは41.40%に対して42.89%と予想よりも高いインフレ率を示しました。CPIは政策金利19.0%より低いとはいうものの、異常な高止まりを示しているPPIが今後秋以降にCPIに反映されてくる可能性を考えると、現在の高金利でもまだインフレは抑えきれていないというのが本来の見方です。

先週前半はCPI・PPIの数字が予想よりも高かったことから、今週のトルコ中銀会合で政策金利は据え置かれるだろうという思惑が急速に広がり、それがトルコリラを対ドル、対円ともに下支えする材料となりました。そして、週後半は木曜のドル円でのトルコリラ円は円高の動きでいったんトルコリラ安に振れたものの、週末に向けてのドル円の反発で買い戻されました。ドルトルコリラに関しては、その間もほとんど動きは見られていません。

今週14日のトルコ中銀会合では上述の通りで、現状維持がコンセンサスです。一時期はエルドアン大統領の利下げ要求発言もあり、今回以降の中銀会合で利下げが行われるリスクが懸念され、トルコリラ売りが強まった時期もありましたが、直近ではエルドアン大統領が利下げ発言をしていないことや、中銀は市場を安心させるために引き締め気味の発言をしていることで買いにまではなっていないものの、横ばいを維持していると言えます。

もし会合前にエルドアン大統領が利下げ発言をすると、トルコリラ安に振れて最近のもみあいレンジを下抜ける可能性はあるものの、そうしたネガティブ・サプライズは無い前提で、会合までは横ばい、会合で現状維持が発表されるとして、その後の会合で引き締め気味の発言となれば横ばい、将来的な利下げにでも言及したらレンジの下抜けというところです。

無いとは思いますが、さらなる超ネガティブ・サプライズで利下げでもしようものならトルコリラ円は史上最安値を更新して12円の大台割れ必至というところですが、さすがに今月の利下げは無いでしょう。


テクニカルにも見ていきますが、上記の超ネガティブ・サプライズが無いにしても現在のトルコリラは対ドル、対円ともに長期的なトルコリラ安の流れを続けていますので、トルコリラ円の日足チャートを見ながら、長期的なターゲットを示しておきます。

トルコリラ円レポート月曜版

年初来高値を起点に2月前半への下げ、その後の2月後半への戻しを3点とする逆N波動(ピンク)を考えフィボナッチ・エクスパンションで伸びた時の最終ターゲットと言われる261.8%エクスパンションを計算すると11.71(ピンクのターゲット)となります。史上最安値の12.01を割り込む動きが出てきた時のターゲットとして常に気にしておきたい水準と言えるでしょう。

上記ターゲットは長期的なものですから、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

最近は3週間以上横ばいでもみあいを続けています。レンジの上限としては6月16日高値の12.91、いっぽうで下限は6月21日安値の12.46となります。そして、その半値の12.69がもみあいの中心となります。これらの3つの水準から、もみあいの中心はそのままに上下を若干狭めたレンジが妥当なところでしょう。

今週はトルコ中銀会合前後も含めてサプライズは無いと考え、12.50レベルをサポートに12.85レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。


※ポイント要約は編集部

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