NZドルWeekly 豪ドルにつられ反発、2月高値93円56銭突破を試す展開に(24/4/26)

今週のNZドルは、経済的なつながりのオーストラリアの強い経済指標につられ、上昇基調を強める展開となった。

NZドルWeekly 豪ドルにつられ反発、2月高値93円56銭突破を試す展開に(24/4/26)

豪ドルにつられ反発、2月高値93円56銭突破を試す展開に

【今週のNZドル】

今週のNZドルは、経済的なつながりの強い、オーストラリアの強い経済指標につられ、上昇基調を強める展開となった。

中東情勢の緊迫化が和らいだなか、24日の3月の豪消費者物価指数(CPI)が想定以上に強い数字だったことから、オーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)による利下げ観測が後退。豪ドルは2014年12月以来の101円台まで上昇した。NZドルもこの流れにつられ上昇し、2月28日以来となる92円台まで上昇する場面が見られた。

なお、24日に発表された3月の貿易収支は5億8800万NZドルの黒字だった。国・地域別の輸出額(実測値)では、1位は中国で変わらず、前年同月比−1.9%の17億200万NZドル。オーストラリアは同−3.7%の7億7800万NZドル、日本は同−14.8%の2億9900万NZドルで4番目だった。

一方、輸入では中国が同じく1位で同−20.3%の11億3100万NZドル。2位も同じくオーストラリアで同−12.9%の6億6200万NZドル。日本は5位で、同−26.4%の4億5000万NZドルだった。

NZドル・円(東京時間:4月22日―4月26日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:91円21銭
高値:92円84銭(26日8時40分台の急騰はミスプライスと想定し考慮せず)
安値:90円93銭
終値:92円81銭 

【今週と来週の重要指標】

※時間は東京時間
4月24日
7時45分、3月貿易収支(実測値)、前回:−3.15億NZドル、結果:5.88億NZドル
4月30日
10時00分、4月ANZ企業景況感、前回:22.9
5月1日
7時45分、第1四半期雇用者数、前回:2.4%、市場予想:1.7%
7時45分、第1四半期失業率、前回:4.0%、市場予想:4.2%
5月2日
7時45分、3月住宅建設許可(前月比)、前回:14.9%


※予定は変更することがございます。

【今週末から来週の見通し】

今週末から来週のNZドルは、強い豪ドルにつられた展開となりそうだ。投機筋による円売りポジション積み上げと日本当局による円買い介入警戒感の綱引きが想定されるが、NZドルは2月高値の93円56銭突破を試すだろう。

5月1日に雇用統計の発表を控えているが、ニュージーランド経済の弱さは既に織り込まれていることから、よほど厳しい数字出ない限りネガティブ視はされないだろう。来週は、経済的なつながりが強い中国が4月30日に4月製造業PMI、サービス業PMI、財新製造業PMIを発表するので、ファンダメンタルズではこの数字が注目されよう。豪ドル同様、NZドルも中国経済指標を横目に見た展開と考える。

テクニカルは良好だ。長期的なトレンドは、一目均衡表にて「三役好転」が示現していることから、14年12月以来の94円台をターゲットとした強いトレンドは継続。短期的には2月26日高値93円56銭をつけた後は調整局面を迎えていたが、90円割れを回避しており持ち直している。日足の一目均衡表では、上値抵抗ラインとなっていた雲上限をようやく突破。昨年12月安値を起点とした下値支持線も機能しており下値不安は乏しい。

一方、26日12時22分頃に伝わった日銀金融政策決定会合の結果は、「現状の金融政策を維持」し「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、24年度CPIを+2.4%から+2.8%に、25年度CPIを+1.8%から+1.9%に引き上げ、26年度CPIを+1.9%に設定。ほぼ市場の想定通りの内容だったことで、投機筋による円売りが加速しドルは156円台に乗せている。NZドルも円安の流れが強まっており、一時93円台を回復した。

円全面安の状況となれば、日本当局による円買い介入に伴う乱高下等には気を付けたいところだ。水準だけで見れば、円買い介入がいつ入ってもおかしくない状況ではあるため、「過度な急変動」を伴わない緩やかな円安基調に対する異例の介入実施の可能性は意識しておきたい。

豪ドルにつられ反発、2月高値93円56銭突破を試す展開に

NZドル円日足

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