100MAと50MA間でのもみ合い相場となりそうだが、乱高下の可能性も
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、第1四半期消費者物価指数(CPI)が前期を上回ったことや、100日移動平均線が下値支持線として意識されたことなどから、91円台でのしっかりと推移となった。
17日に、ニュージーランド(NZ)統計局が発表した第1四半期のCPIは前期比+0.6%で、23年第4四半期の同+0.5%から小幅に加速した。前年比では+4.0%と同+4.7%より鈍化。
NZ準備銀行(NZ中銀)は先週、政策金利を6会合連続で5.5%に据え置いている。NZ中銀は2月政策会合において、インフレ率が第1四半期に前年比+3.8%まで低下し、今年後半には目標レンジの1−3%に収まると予想していたが、上回る恰好となった。
NZ統計局は、第1四半期CPIの前年比上昇率について、主に住居費と家庭の光熱費がけん引したと指摘。「家賃は1999年9月の統計開始以来最も速いペースで上昇している」と述べた。このCPI発表後、NZドルは上昇し50日移動平均線も上回ったが、週末にかけては、100日移動平均線と50日移動平均線の間で推移した。
NZドル・円(東京時間:4月15日―4月19日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:91円19銭
高値:91円64銭
安値:90円49銭
終値:91円16銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
4月17日
7時45分、第1四半期消費者物価指数(前期比)、前回:0.5%、結果:0.6%
7時45分、第1四半期消費者物価指数(前年比)、前回:4.7%、結果:4.0%
4月24日
7時45分、3月貿易収支、前回:−2.18億NZドル
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、貿易収支以外目立った経済指標の発表が予定されていないことから、経済的なつながりが強いオーストラリア経済や、日本銀行の金融政策決定会合などへの思惑等に振らされる展開となりそうだ。
オーストラリア経済に関しては、第1四半期CPIと同PPIが発表されることから、強い数字となれば、オーストラリア準備銀行(豪中銀)による早期の利下げ観測は後退し豪ドル買いが強まると想定する。NZドルはその動きに連れた展開となるだろう。
一方、25−26日には日銀の金融政策決定会合が開催される。市場コンセンサスは、現状の金融政策の維持を見込んでいるが、市場では9月もしくは10月辺りの利上げ実施観測が強まっており、植田和男日銀総裁が記者会見で「今後の利上げは慎重に見極める」といったこれまでの方針を維持するか注目となる。日本とニュージーランドの金利差を考慮すると、「徐々に縮小する」という状況だが、大幅に縮小する地合いではないため、足元のNZドルの方向性を考える上で、日NZ金利差縮小はさほど気にしなくていいだろう。
ただ、日本当局による円買い介入警戒は警戒しておきたい。来週末に日銀会合の開催を控えていることや、足元のじりじりとした円安ドル高では「過度の市場変動」に該当しないことから、日本当局による円買い介入実施は難しいと考える。ある意味、市場関係者が「難しい」と考えている時に実施した方が市場にインパクトを与えることはできるだろう。そして、商いが薄い時間帯に行うことでそのインパクトの最大化を図ることもできるはずだ。週明け22日のオセアニア時間などの急変動には気を付けたい。
なお、長期的なトレンドは、一目均衡表にて「三役好転」が示現していることから、14年12月以来の94円台をターゲットとした強いトレンドは継続したままと考える。短期的には2月26日高値93円56銭をつけた後は、90円割れを回避しており持ち直している。
ただ、日足の一目均衡表では、雲上限をなかなか上回れない地合いが続いている。100日移動平均線と50日移動平均線の間に挟まれており方向感には乏しい。昨年12月安値を起点とした下値支持線は機能しているので下値不安は乏しいと考えるが、円買い介入など波乱要因はあるので乱高下等には気を付けたいところだ。
NZドル円日足
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