東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に(24/4/26)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀会合の結果が、想定線で「タカ派」な内容が確認できなかったことで円安が加速し、156円台に突入した。

東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に(24/4/26)

東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀会合の結果が、想定線で「タカ派」な内容が確認できなかったことで円安が加速し、156円台に突入した。

昨晩の海外時間では、米1-3月期GDP速報値で成長が予想以上に減速したため、いったんドル売りが優勢となった。ただ、同時に発表された同期価格、コアPCE価格指数が強かったほか、先週分新規失業保険申請件数も予想外に前回から減少し労働市場の強さが再表明されたため利下げ先送り観測が強まり、米10年債利回りは4.73%台まで上昇。ドルは155円60銭台での推移となった。

東京時間では、日銀金融政策決定会合にて、「金融政策の現状維持」を決定したほか、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、24年度CPIを+2.4%から+2.8%に、25年度CPIを+1.8%から+1.9%に引き上げ、26年度CPIは+1.9%に設定。政策運営に関しては、今回展望リポートで示したように、基調的な物価上昇率が2%前後に向けて上昇していくとすれば「金融緩和度合いを調整していくことになる」と結論づけている。そのうえで「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」との見解を示した。

ほぼ市場の想定通りの内容だったほか、追加の利上げを示唆するような「タカ派」な内容は確認できなかったことから、円安が加速。156円台に乗せる展開となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:155円57銭
高値:156円22銭
安値:155円42銭
終値:156円10銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:166円90銭
高値:167円53銭
安値:166円69銭
終値:167円44銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:101円47銭
高値:102円17銭
安値:101円42銭
終値:102円08銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:194円63銭
高値:195円33銭
安値:194円37銭
終値:195円22銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37725円61銭
高値:38097円54銭
安値:37550円70銭
終値:37934円76銭(前日比+306円28銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
21時30分、米、3月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.4%
21時30分、米、3月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.5%、市場予想:2.6%
21時30分、米、3月PCEデフレータ(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.4%
21時30分、米、3月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.7%
23時00分、米、4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、前回:77.9、市場予想:77.9

FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)、5月2日まで
※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

じりじりとした円安が続いておりドルは156円台まで上昇している。ドル・インデックスは105.4台と前日比でやや下落していることから、ドル買いではなく、円全面安の地合いと考える。

15時30分から行われた植田日銀総裁の発言は下記の通りだった。

「景気は一部に弱めの動きに見られるが、緩やかに回復している」
「消費者物価の前年比、24年度が前回見通しから上振れ」
「基調的な物価上昇率が上昇ならば、緩和度合いを調整していく」
「為替はインフレ率に関係するが一時的、長期化もある。」
「春闘まで待たなく、金融政策の変更もある」
「24年度物価見通し上振れ、主な理由は原油高だが、一部円安の影響も含まれる」
「基調的な物価に円安は今のところ大きな影響が出ていない」
「国債買い入れ、政策の能動的な手として使いたくない」

言葉を慎重に選ぶ姿勢は、これまでの記者会見通りだったが、頻繁にメモを取っている姿はこれまでよりも多かった印象だ。記者からの質問は、為替に関する質問が半分ほどを占めており、156円10銭ほどでスタートしたドル・円は一時156円80銭台まで円安が進行した。これまでの植田日総裁の発言の範囲内に留まり、「円安けん制発言」を行わなかったことが要因と考える。

投機筋はある意味安心して円安ポジションを積み上げ、今晩の海外時間では157円台乗せも視野に入ろう。政府・日銀の円買い介入実施への警戒感が高い一方、「過度な急変動」ではない緩やかな円安推移のため、投機筋は介入実施の難しさを見透かしているという構図だ。

なお、2022年9月22日、黒田東彦前日銀総裁の記者会見後、政府・日銀は24年ぶりとなる円買い介入を実施した。市場では、今回もその可能性はあるとの声が聞かれるが、予想されている状況では、市場に与えるインパクトが弱まることから今晩の実施はないだろう。市場にインパクトを与えたいのであれば、日本が祝日の4月29日の早朝オセアニア時間(朝6−8時頃)に実施するのが最も市場への影響度が高いと考える。もっとも、じりじりとした円安推移のなか、「過度な急変動」という状況をどのように整理するかは必要だ。今晩の上値メドは157円80銭、下値メドは156円20銭とする。

(編集部注:17時ごろに一時155円割れ水準までの急落あり。介入か否かは不明。しかし乱高下の後、17時半現在は再び156円台半ばまで買い戻される動き)

東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に

ドル円日足

東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に 2枚目の画像

ドル円5分足

オーダー/ポジション状況

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