トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラの注目材料はトルコ中銀による政策金利発表、新総裁となり初で声明に注目された
〇結果は19%で現状維持、声明では追加の引締めの文言が削除され引締めを維持したとだけに
〇5/6以降の中銀会合では現状維持または緩和の流れの可能性、今後のトルコリラ安要因となるか
〇テクニカルには三角もちあいの頂点に、下落リスクを常に抱えたチャートに
〇今週は13.10レベルをサポートに13.70レベルをレジスタンスとする週とみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「政策金利次第ではあるものの、テクニカルな観点から下降チャンネルを参考に、下降トレンドに回帰しやすく12.80レベルをサポートに13.60レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.27レベル、高値が13.54レベルとなり、前週に続いて非常に狭い値幅での取引に終始しました。
先週のトルコリラは、最大の注目材料がトルコ中銀による政策金利発表でした。前総裁、副総裁がともに更迭されカブジュオール新総裁となってから最初の会合ということで、コンセンサスは現状維持ではあったものの、どのような声明となるのかが注目されていました。
カブジュオール新総裁は就任以降、それまでの引き締めスタンスを維持すると発言していましたが、中銀人事に介入するエルドアン大統領が緩和を望んでいる中で果たして引き締めスタンスを維持できるのかという見方がされても不思議ではありません。わずか2年の間に引き締めスタンスを強化した中銀総裁が3人連続で更迭されたため、カブジュオール新総裁はエルドアン大統領の顔色を伺った動きをするという見方も当初はされていたからです。
結果としては現状維持の19.0%とコンセンサス通りでしたが、中銀の声明ではこれまでの引き締めスタンスを継続し必要に応じて追加の引き締めを行うという文言が、引き締め姿勢を維持したとだけになり、追加の引き締めという文言が削除されていました。つまり、今の政策金利がピークで次回5月6日以降の中銀会合では、現状維持もしくは緩和という流れが見えてきそうです。
現時点ではまだ何とも言えないものの、今後のトルコリラ安要因となりますし、5月3日に発表されるCPIが高止まりしているようであれば一層トルコリラ安の圧力がかかりやすいということになるでしょう。それでも先週のトルコリラはもみあいとなっていたのは米金利低下によって新興国通貨に買いが入りやすかったという、まったく別の理由によるものでした。
テクニカルにはどうか、今週はまず日足チャートから見ていきます。
先週も書いた通り3月の急落以降は三角もちあいを続けていましたが、ついにその頂点に来ました。こうした場合には継続パターンよりも横方向へのもみあいを継続しやすいと見ますが、それでも下落リスクを常に抱えているチャートであることは間違いありません。
短期的なもみあいの水準を探るため、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
3週間前の値幅とその中間に青い線を引いてみました。今はまさにその中間に位置していますので、この13.40レベルを中心に上下をレンジの中で考えることが妥当です。今週は上下に若干狭め、13.10レベルをサポートに、13.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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