短期サポートを下抜け戻り売りが出やすい(週報4月第3週)

先週のドル円は週前半にドル安が進み108円台後半へと水準を切り下げました。

短期サポートを下抜け戻り売りが出やすい(週報4月第3週)

短期サポートを下抜け戻り売りが出やすい

〇先週のドル円は安値108.61を二度トライし狭い値幅で上下ともに動きが鈍い流れ
〇ドル安の流れは、ドル円と相関が高い米10年債利回りが着実に低下する動きが主な要因
〇日米首脳会談も為替市場への影響なく、次のきっかけが出てくるまでもみあいを続けやすい地合い
〇今週は108.30レベルをサポートに、109.40レベルをレジスタンスとする流れ

今週の週間見通し

先週のドル円は週前半にドル安が進み108円台後半へと水準を切り下げました。しかし水曜以降は109円台にドル売りオーダーが下がってきていることから、上値の重たい展開が続いたものの、週末まで安値は108.61を二度トライして抜けられずと狭い値幅で上下ともに動きが鈍い流れとなっていました。

4月に入ってからのドル円でのドル安の流れは3月末に110.96レベルの高値をつけ、4月以降に思いのほか新規の外貨買いが出なかったところにドル円の動きと相関が高い米金利(10年債利回り)が着実に低下する動きが主な要因でした。以下のチャートは上段が米金利、下段がドル円ですが年初から多少のずれはあってもほぼ同じような値動きをしていることがわかります。

短期サポートを下抜け戻り売りが出やすい

またここ2週間ほどはポジション調整の面も大きかったと言えます。ドル円週足とシカゴの円ポジションの状況をご覧ください。

短期サポートを下抜け戻り売りが出やすい 2枚目の画像

シカゴの通貨先物の円ポジションは3月16日時点で大きく円売りへと転換後、3週連続で円売りが膨らみましたが、さすがに勢いが速かったこともあった様子で、4月6日時点で若干円売りポジションが減り13日時点はほぼ前週並みと基本的な円売りポジションに変化は無いものの直近ではポジションに変化が無い状況です。

投機筋が今までのように円売りを増やしていないことから短期筋がいったん利食いに動き、現在は次の動きを待っている段階と言えます。日米首脳会談も為替市場への影響はありませんし、今週は特に重要な経済指標やイベントも少ないため、次のきっかけが出てくるまでもみあいを続けやすい地合いに変化は無さそうです。

テクニカルに見ていきましょう。日足チャートをご覧ください。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

3月5日安値からのサポートライン(赤)を下抜けたことで戻り売りが出やすいチャートとなっています。参考までに短期の下降チャンネル(ピンク)も引いてありますが、値幅も狭くあまり参考にならなそうです。それよりも抜けたサポートがレジスタンスとなりますので、現状は109.40レベルでは売りが出やすいと見ることができます。

いっぽうで3月上旬以降何度かサポートとなった水準108.30に水平線(青)を引いてありますが、先週の安値108.61レベルを下抜けた場合、このラインで止まるかどうかが次の注目点となりそうです。いったん下げ止まってその後下抜けるという動きがありそうですが、今週のところは同水準がサポートとなりそうです。

今週は上記の両水準を上下限としたもみあいを継続しやすく、108.30レベルをサポートに、109.40レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2021年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

4月19日(月)
08:01 英国4月住宅価格
08:50 本邦3月貿易収支(通関)
18:00 ユーロ圏2月建設支出

4月20日(火)
10:30 豪中銀理事会議事要旨
15:00 ドイツ3月PPI
15:00 英国3月失業率

4月21日(水)
07:45 NZ1〜3月期CPI
10:30 豪州3月小売売上高
15:00 英国3月CPI
17:00 南ア3月CPI
23:00 カナダ中銀政策金利
23:30 週間原油在庫統計

4月22日(木)
15:45 フランス4月企業景況感
20:45 ECB理事会
21:30 ラガルドECB総裁会見
21:30 米国新規失業保険申請件数
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感速報値
23:00 米国3月景気先行指数、中古住宅販売

4月23日(金)
**:** トルコ市場休場
08:01 英国4月消費者信頼感
08:30 本邦3月CPI
15:00 英国3月小売売上高
16:15 フランス4月製造業・サービス業PMI速報値
16:30 ドイツ4月製造業・サービス業PMI速報値
17:00 ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 英国4月製造業・サービス業PMI速報値
22:45 米国4月製造業・サービス業PMI速報値
23:00 米国3月新築住宅販売

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

4月12日(月)
週明けのドル円は金曜に110円大台乗せに失敗したこと、また日経平均先物が早朝から売りが広がったことを受けて円買いの動きが目立ちました。欧州市場で109.25レベルの安値をつけましたが後は続かず、海外市場では安値圏の狭い値幅でもみあいのまま引けました。

4月13日(火)
東京市場のドル円は株価と歩調を揃え昼過ぎまでは株高+円安となり109.75レベルの高値をつけました。後場以降は調整が入り欧州市場序盤には実需のドル売りも重なって早朝水準へ行って来いでの海外市場入りとなりました。NY市場の朝方には強めのCPIに反応して一時ドル買いが強まる動きとなったものの長期金利が大幅に低下する動きとともにドル売りが強まり109.02レベルまで水準を下げ安値引けとなりました。

4月14日(水)
ドル円は東京前場に日経平均株価の下げとともに円高が進行、短期筋のストップも巻き込みながら108.75レベルの安値をつけました。しかし売りが一巡すると押し目買いで入る向きも多く欧州市場序盤に前日NY引けの水準に戻しました。海外市場ではユーロ買いの動きからドルの上値が重たい展開が続きましたが狭い値幅での取引に終始し、一日のレンジも35銭に留まりました。

4月15日(木)
ドル円は終日上値が重たい流れとなっていたものの前日に続いて値幅は35銭と積極的な取引が手控えられました。東京市場では全く動意が見られませんでしたが、海外市場に移り米金利低下とともにドル円でのドル安が進みました。NY市場では108.61レベルの安値をつけ、そのまま安値圏でもみあいのまま引けました。

4月16日(金)
東京前場のドル円は前日安値をトライしたものの、安値は108.61レベルで週間安値の下抜けに失敗したことから週末を前にポジション調整の買い戻しが入りました。東京後場以降はユーロ円の買いがドル円にも波及し、欧州市場序盤には108.97レベルの高値をつけたものの109円には届かず。海外市場では108円台後半の狭いレンジの中でもみあいのまま一週間を終わりました。

ディスクレーマー

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注:ポイント要約は編集部

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