ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値7.21レベル、高値7.39レベルと予想以上に狭い値幅での取引に終始
〇週初はトルコリラ暴落により上値が重たいスタートになるも下値も限定的で暴落の影響はほぼない印象に
〇中銀会合は予想通りの現状維持、今年のインフレは抑制されるとの発言から利上げの思惑は一段と遠のく
〇今週の南ア2月貿易収支、3月製造業PMIは弱い数字なら先週の調整、強い数字は高値圏のもみあいと予想
〇電力会社エスコムの発電能力低下により計画停電を実施、今後のランドの重石となる可能性
〇今週は7.14レベルをサポートに、前週高値7.39レベルをレジスタンスとする見方
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「基本的にもみあいの展開を考え、7.17レベルをサポートに7.44レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.21レベル、高値が7.39レベルとなり、もみあいではあったものの予想以上に狭い値幅での取引に終始しました。
先週のランドは、週初はトルコリラが暴落して始まったことに引っ張られて上値が重たいスタートを切りましたが、下値も限定的でトルコリラ暴落の影響はほぼ無かったという印象です。その後前週末の水準には戻したものの上値も重く、25日の中銀会合に向けて狭い値幅で高値を切り下げる展開となりました。
中銀会合では予想通りの現状維持となりましたが、2021年のインフレは抑制されるとという発言から利上げ思惑が一段と遠のいたこと、コロナ感染が景気回復の重石となっているといった見通しも上値が重たいままでの一週間となる要因とされました。全体としては前週に昨年2月来の高値をつけた後の調整局面という見方で良いでしょう。
今週は南ア関連の経済指標では31日に2月貿易収支、1日に3月製造業PMIの発表がありますが、弱めの数字が出れば先週の調整が続きやすく、強い数字が出ても高値圏のもみあい程度に留まると見ています。またしばらく話題に出て来なかった電力会社エスコムですが、最近また発電能力が低下している様子で散発的に計画停電が実施されています。この状況も今後のランドの重石となってくる可能性は高いでしょう。
テクニカルにも見ていきます。まず週足チャートをご覧ください。
2019年末高値と2020年安値の78.6%(61.8%の平方根)戻しが7.33となっていて、ここを明確に抜けられないと反落する可能性があります。また値動き的にはピンクの内側のサポートラインと上昇チャンネル上側ラインとの間での推移となっていますが、先々週の高値が上側のレジスタンスラインで反落したことも短期的には調整売りが続きそうな動きと見ることができます。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
4時間足で見ると上下のラインとも距離がありますし、上側に関しては先週の高値圏は当面レジスタンスとなってくると見てよいでしょう。下値に関してはここまでの3月安値と3月高値の61.8%押しとなる7.14をターゲットとしやすい流れです。
今週はテクニカルな押し7.14レベルをサポートに、前週高値7.39レベルをレジスタンスと、やや上値が重たいもみあいという見方をしておきます。
注:ポイント要約は編集部
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