南アランド週報:『テクニカル主導で力強く上昇。約1年2ヵ月ぶり高値を更新』(4/3朝)

南アフリカランド円相場は週後半にかけて上値を伸ばし、一時約1年2ヵ月ぶり高値となる7.57円まで急伸しました。

南アランド週報:『テクニカル主導で力強く上昇。約1年2ヵ月ぶり高値を更新』(4/3朝)

『テクニカル主導で力強く上昇。約1年2ヵ月ぶり高値を更新』

〇先週の南ア円コロナ第三派への警戒、利上げ観測後退に週初7.26まで下落
〇その後コロナワクチン接種の拡大や国内指標改善で7.57まで急伸
〇南ア円直近高値を上抜けるなどテクニカルの地合いは強い
〇ファンダメンタルズには不安材料残る
〇南ア円反落がメインシナリオ
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.70

今週のレビュー(3/29−4/2)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.30円で寄り付いた後、@新型コロナウイルス第3波への警戒感や、A南ア中銀による利上げ観測の後退(先週発表された南ア2月消費者物価指数が冴えない数字。※南ア中銀のインフレターゲット下限3%を下回る水準)が重石となり、週明け早々に週間安値7.26円まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した安値7.25円をバックに下げ渋ると、Bラマポーザ大統領による「ワクチン接種計画の第1段階が3カ月以内に終了する」との発言や、C南ア2月貿易収支(結果290億ZAR黒字、予想221億ZAR黒字、前回118億ZAR黒字)の予想比改善、D南ア3月製造業PMI(結果57.4、予想52.3)の力強い結果、E3/18に記録した直近高値7.45円を上抜けたことに伴うロスカット(ストップBUY)が支援材料となり、週後半にかけて、昨年1/24以来、約1年2ヵ月ぶり高値となる7.57円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局7.55円前後での越週となっております。

来週の見通し(4/5−4/9)

南アフリカランド円相場は週後半にかけて上値を伸ばし、一時約1年2ヵ月ぶり高値となる7.57円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や直近高値7.45円を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(ダウ理論においても上昇トレンドの継続を確認)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済の先行き不透明感(新型コロナウイルスの感染再拡大→ロックダウンレベルの引き上げ懸念)や、A米長期金利上昇を背景としたリスクオフ再燃への警戒感(米雇用統計が力強い結果となったことで来週は米テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→ドル高→商品市況下落→新興国通貨下落の波及経路に注意)、B南ア中銀の利上げ観測の後退(先週発表された南ア2月消費者物価指数がインフレターゲットの下限を下回ったことで南ア中銀による利上げ観測が後退)等、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上の通り、南アランド円相場は、ファンダメンタルズ的な弱さに続伸を阻まれるシナリオが想定されます。米長期金利の動向や、商品市況の値動き(特に南アフリカの産品であるプラチナ価格)、新型コロナウイルス第3波に関するヘッドライン(ラマポーザ大統領がロックダウンの再開に踏み切るか)、南アフリカの主要経済イベントの結果(4/7の南ア3月SACCI景況感指数、4/8の南ア2月製造業生産高など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.30ー7.70

注:ポイント要約は編集部

『テクニカル主導で力強く上昇。約1年2ヵ月ぶり高値を更新』

南アランド円日足

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