南アランド週報:『13ヵ月ぶり高値圏から急反落。利上げ観測後退がランドの重石』(3/27朝)

南アフリカランド円相場は、3/18に記録した約1年1ヵ月ぶり高値7.45円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.22円まで急落しました。

南アランド週報:『13ヵ月ぶり高値圏から急反落。利上げ観測後退がランドの重石』(3/27朝)

13ヵ月ぶり高値圏から急反落。利上げ観測後退がランドの重石

〇南ア円トルコリラ暴落の連れ安、世界的リスクセンチメント悪化に週後半にかけ7.22まで下落
〇テクニカルには中長期上昇トレンドを維持しつつも短期の地合い悪化印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズもCPIの低下等南ア円下落材料増加
〇プラチナ価格動向、米中情勢等要注視
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.50

今週のレビュー(3/22−3/26)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.39円で寄り付いた後、@トルコリラ円相場の大暴落(新興国通貨連れ安)や、A新型コロナウイルス第3波の感染拡大リスク、B世界的なリスク回避ムード(新興国通貨や新興国株に下落圧力)、C南ア2月消費者物価指数の伸び率低下(結果2.9%、予想3.1%、前回3.2%、※昨年6月以来の低水準。南ア中銀のインフレターゲットの下限3%を下回る結果→追加利上げ観測後退→南アランド売り)、D南ア中銀による政策金利の据え置き決定(全会一致で3.50%に据え置き。南ア中銀ハニャホ総裁は「リスクが顕在化しない限り、今年のインフレは抑制される見込み」と発表→追加利上げ観測後退→南アランド売り)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.22円まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局7.32円前後での越週となっております。

来週の見通し(3/29−4/2)

南アフリカランド円相場は、3/18に記録した約1年1ヵ月ぶり高値7.45円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時7.22円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線を下抜けした他、強気のバンドウォークも終了するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪さ(上値の重さ)を印象付けるチャート形状となっております(一目均衡表三役好転とダウ理論の上昇トレンドが確認できることから、中長期上昇トレンドは不変も、短期的にはダウンサイドリスクに警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(新型コロナウイルスの感染再拡大リスク)や、A米長期金利上昇を背景としたリスクオフ再燃への警戒感(米長期金利上昇・ドル高→株式市場や商品市況の下落→南アフリカの主要産品であるプラチナ価格にも下落圧力が加わる恐れ)、B南ア・インフレ率の伸び悩み(CPIがインフレターゲットの下限を下回ったことで南ア中銀による追加利上げ観測が後退。※南ア中銀は、前回1/21の会合で、「四半期予測モデルは4ー6月期、7ー9月期にそれぞれ0.25%ずつの利上げを示唆」と発表)等、南アランド円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、ダウンサイドリスクが警戒されます。米長期金利の動向や、プラチナ価格の動き、新型コロナウイルス第3波に関するヘッドライン、米中対立激化を巡る続報(経済的な結びつきの強い中国の地政学的リスクはランドの重石)、南アフリカの主要経済イベントの結果(南ア2月貿易収支。南ア3月製造業PMIなど)を睨みながらも、当方では引き続き、南アランド円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.10ー7.50

13ヵ月ぶり高値圏から急反落。利上げ観測後退がランドの重石

南アフリカランド円日足

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