米FOMCを注視、ドル高再燃の可能性はあるのか(3/17夕)

17日の東京市場はドルが小高い。109円台を中心とした変動で底堅かったが、上値も重く上げ渋った。

米FOMCを注視、ドル高再燃の可能性はあるのか(3/17夕)

米FOMCを注視、ドル高再燃の可能性はあるのか

〇ドル円、一時109.20前後まで値を上げたが上値は重く16時現在は109.05-10で推移
〇接種の安全性が議論となっているアストラゼネカ製ワクチンは国により対応が分かれ続報に注意
〇仏首相感染拡大第3波に入ったと表明、日本は1都3県の緊急事態宣言を21日で解除する方針
〇東京時間のドル円上昇が昨年6月高値の109.85や110円をトライする展開になるか注目
〇本日行われる米FOMCの結果発表及びパウエルFRB議長の記者会見を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.70-109.60

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小高い。109円台を中心とした変動で底堅かったが、上値も重く上げ渋った。

ドル/円は、寄り付いた108.95円レベルを日中安値にドルが小じっかり。一時109.20円前後まで値を上げ、直近高値109.36円を視界内に捉えたが、上値も重かった。本日はNY時間に注目の米FOMCとFRB議長会見を控えていることもあり、取引そのものが手控えられ気味で動意も限られている。16時現在、ドル/円は109.05-10円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、昨日は連日の高値更新がストップしたカナダ/円だったが、本日東京で再び高値を更新。ポジションの偏りなども指摘されるものの、騰勢が続いていることは間違いない。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日米2プラス2」について。
前者は、「接種後に血栓ができる症例が報告される」ことを理由に、ドイツやフランスなどが一時的な使用停止に動いた英製薬大手アストラゼネカ製ワクチンだが、カナダそして豪州はともに使用の継続を表明。国によって対応がわかれる結果となった。続報には引き続き注意を払いたい。また、仏首相が「感染拡大第3波に入った」ことを表明した反面、日本は産経新聞が「首都圏1都3県に発令している緊急事態宣言を、政府は21日で解除する方針を固めた」などと報じている。

対して後者は、昨日東京午後に実施された日米の「安全保障協議委員会(2プラス2)」は、中国を名指ししたうえで、海警法の施行に「深刻な懸念」を表明するものとなった。それに対し、中国サイドは前日の外務省コメント「閉鎖的で排他的な対立を生むグループを作るべきではない」に続き、今度は人民日報系の環球時報が「日本は米国に言い寄られても冷静さを保つべき」と題し、日本の対応を諫める社説を配信している。

<< 欧米市場の見通し >>

ここ2週間ほどよく見られる「東京時間のドル/円上昇」が本日復活。109.10円レベルと、直近の戻り高値を視界内に捉えたまま、欧米市場を迎えている。このままドルが続伸して109.36円を突破。昨年6月高値の109.85円や110円をトライする展開をたどるのか否かに注目だ。
このあと材料的には、米FOMCの結果発表およびパウエルFRB議長の記者会見が注視されている。そのなかでも、とくにポイントとなりそうなのは大きく2つで、ひとつは「足もとを含めた最近の米金利上昇に対する見解」について。また、もうひとつは、それを踏まえたうえでの「米利上げ見通しの前倒しがあるのか否か」になろう。先日、1兆9000億ドルの経済対策が実現したことなどの状況を考え、後者である「事実上のゼロ金利政策解除」の前倒しされる可能性を取り沙汰する声なども一部で取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は底堅い値動きが続いており、時間足などやや短めのチャートを見ても108.78円、そして108.34円などがサポートとして寄与している感を否めない。107円台は近くて遠いイメージも。
逆にドルの上値も重そうだが、前回高値の109.36円を超えれば、そのまま一気に昨年6月高値の109.85円や110円を目指す展開となる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の住宅着工件数といったいくつかの米経済指標が発表される予定となっているが、本日米国ファクターとしてはやはりFOMCになりそうだ。ただ、それとは別に欧州情勢、コスタ・ポルトガル中銀総裁などの講演にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.70-109.60円。上方向は、先日示現した戻り高値の109.36円が最初の抵抗。超えれば109.85円、110円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の108.78円をめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも108.34円などでは底堅そう。108円割れは目先予想しにくい状況だ。

米FOMCを注視、ドル高再燃の可能性はあるのか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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