ドル円、米FOMCを経て反落。早期テーパリング観測はひとまず後退(3/18朝)

17日(水)の外国為替市場でドル円は高値圏から反落。

ドル円、米FOMCを経て反落。早期テーパリング観測はひとまず後退(3/18朝)

ドル円、米FOMCを経て反落。早期テーパリング観測はひとまず後退

〇ドル円米長期金利が1.687%に上昇したことを受け一時109.32まで上昇、FOMC後は108円台後半へ反落
〇FOMCは経済見通しを上方修正しつつ、23年末までのゼロ金利維持方針を維持
〇パウエル議長会見でもハト派的で早期テーパリング観測後退
〇ユーロドルは米金利上昇で1.1887まで下落後FOMC通過で一時1.1985まで上昇
〇ドル円FOMC後に反落するも直近安値は死守、テクニカルの地合い強い
〇ドットチャートでも利上げ予想者が増えており、安易にハト派とも判断しにくい
〇ドル高円安再開がメインシナリオ、本日の予想レンジ:108.40ー109.30

海外時間のレビュー

17日(水)の外国為替市場でドル円は高値圏から反落。米長期金利上昇(米10年債利回りが約1年2ヵ月ぶり高水準となる1.687%へ急上昇)を背景に、一時109.32まで上値を伸ばすも、3/15に記録した直近高値109.36をバックに伸び悩むと、米FOMC(連邦公開市場委員会)を経て、反落する展開となりました。注目された米FOMCでは、@政策金利の据え置き(全会一致)、A量的緩和の継続(全会一致)、B経済見通しの一部上方修正(2021年:4.2%→6.5%、2022年:3.2%ー3.3%、2023年:2.4%→2.2%)、Cドットチャートにおける2023年までのゼロ金利継続方針(FOMC参加者18名中11名が2023年末までの政策金利・据え置きを予想)、DパウエルFRB議長によるハト派的な見解(インフレの一時的な上昇は利上げを正当化しない)が示されましたが、市場では上記CDがハト派的と捉えられ、早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→ドル売りの流れでドル円を押し下げました。本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.85近辺で推移しております(日通し安値はFOMC直後に記録した108.75)。

17日(水)の外国為替市場でユーロドルは安値圏から急反発。@米長期金利上昇に伴うドル高圧力や、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念が重石となり、欧州時間朝方にかけて、日通し安値1.1887まで下げ幅を広げました。しかし、B注目された米FOMCで早期テーパリング観測が後退すると、C米長期金利低下→ドル売りの流れが活発化し、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1980近辺まで上昇する展開となっております(日通し高値はFOMC直後に記録した1.1985)。

本日の見通し

ドル円は米FOMCを受けて高値圏から反落するも(109.32→108.75)、@一目均衡表転換線108.59や、A3/10に記録した直近安値108.33を死守したこと、B強い買いシグナルを示唆する三役好転や、Cダウ理論の上昇トレンドが継続していること等から、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、ドットチャートで2022年末までの利上げをFOMC参加者18名中4名が予想したこと(前回は17名中1名)、2023年末までの利上げをFOMC参加者18名中7名が予想したこと(前回は17名中5名)等、利上げ予想者が着実に増加していることを踏まえれば、安易にハト派的と捉えることは出来ないと考えられます(事実、米長期金利は引き続き高値圏=米10年債利回り1.6%台で推移)。以上を踏まえ、当方では売り一巡後(ポジション調整一巡後)のドル高・円安再開をメインシナリオとして予想いたします(本日は米3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や、米新規失業保険申請件数等に注目。明日の日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが強まる可能性あり)。

本日の予想レンジ:108.40ー109.30

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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