ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、安値7.13レベル、高値7.31レベルとやや狭い値幅での取引
〇2014年以来の1300ドル台を示現していたプラチナにも利食いが入る
〇プラチナ価格上昇がランド高の要因なら今後は下げの動きに注意
〇今週24日に予定されている南アフリカの予算演説を警戒した動き
〇今週は大台7.00レベルをサポートに、7.25レベルをレジスタンスとする
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇チャンネルの中で7.33をターゲットにしている流れを考え、7.10レベルをサポートに7.35レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.13レベル、高値が7.31レベルとなり予想レンジよりもやや狭い値幅での取引となりました。
先週のランドは、週初に上昇し7.31まで上昇したもののテクニカルなターゲットとしていた2019年12月高値7.81レベルとコロナショック後の安値5.58の78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる7.33には届ききらない中で、利食い売りとともに2014年以来の1300ドル台を示現していたプラチナにも利食いが入った影響が出たと考えられます。
他にも今週24日に予定されている南アフリカの予算演説を警戒した動きが考えられます。この予算演説では引き続き財政赤字削減が示されるでしょうが、コロナからの景気回復を優先せざるを得ないことは先進諸国と同様で、場合によってはネガティブな影響が出る可能性を嫌気してイベント前に売ったというところです。
そしてプラチナですが、6年半ぶりの高値で16日には一時1337ドルの高値をつけました。2月初めにはまだ1075ドル水準でしたから2週間で262ドル、率にして24%以上も上昇したことになります。以下のチャートはプラチナ(ドル建て)の月足チャートですが2月の急騰ぶりがよくわかります。
原因は商品市況全般が上がっている中で南アフリカのプラチナ鉱山での操業が落ちていることによる供給不足、ビットコインのような投機資金の流入などがあげられます。しかしプラチナは石油燃料自動車が減っていく中で三元触媒の原材料としての工業需要も今後減っていくことを考えると、このまま上がり続けるというのはしっくりきません。
逆にプラチナ価格上昇がランド高の要因であるとするならば、今後プラチナ価格が下げる動きが出てくる時には注意が必要ということになりそうです。なお、今週は上述した予算演説以外にも経済指標がいくつか出てきますが、どれも方向感を変えるというほどのものでもなく、まずは24日待ちという状況です。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週後半の下げでそれまでのサポートライン(青)を下抜けたことで、まだ確定はしないもののピンクの平行線で示した下降チャンネルの中での動きに転換してきたと言えそうです。これはランド円だけでなく、ドルランドにおいても先週初にランド高値をつけその後はランド売りの動きとなって来ていることもあります。
ただ、現時点ではあまりにチャンネルの幅も狭いことから、現時点ではチャンネルは抜けても方向性はこのチャンネルをベースに考えるという程度の押さえです。今週は大台7.00レベルをサポートに、7.25レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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