200日線を再び上抜け、ドル続伸期待も(2/22夕)

週明け22日の東京市場はドルが小高い。先週末のNYクローズでわずかながら下回ってきた移動平均の200日線を、ザラ場ベースではあるものの回復しての推移となっている。

200日線を再び上抜け、ドル続伸期待も(2/22夕)

200日線を再び上抜け、ドル続伸期待も

〇ドル円、移動平均200日線を回復し一時105.70-75まで値を上げる、ドルが小高い展開
〇イラン情勢、IAEA抜き打ち査察受入停止と発表されたが、最大3ヵ月の査察受け入れで合意との報道
〇中国情勢、「中国海警法」への懸念発言や、中国人民銀行の政策金利据え置きが報じられる
〇リスク選好の循環が続くのか、引き続き米株と米金利の動きに注目
〇ドル高の機運が再燃している様子、ドル続伸への期待も
〇本日、1月シカゴ連銀全米活動指数・2月ダラス連銀製造業活動指数発表や、中銀関係者発言の予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.20-106.20

<< 東京市場の動き >>

週明け22日の東京市場はドルが小高い。先週末のNYクローズでわずかながら下回ってきた移動平均の200日線を、ザラ場ベースではあるものの回復しての推移となっている。

週末も暗号資産(仮想通貨)ビットコインの騰勢止まらず。ついに58300ドルと、6万ドルを意識するレベルまで上昇する局面も観測されていた。そうしたなか、核関連施設の査察をめぐるイラン情勢は二転三転しながら、最終的にはIAEA事務局長とのあいだで「最大3ヵ月の査察受け入れで合意」したようだ。
ドル/円は寄り付いた105.35円レベルを日中安値に、ドルが小じっかり。105円半ばに位置する200日線を超えると、一時105.70-75円まで値を上げる展開となった。その後はやや上げ渋りの様相を呈するも底堅く、ドルは強保ち合い。16時現在では105.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「イラン情勢」と「中国情勢」について。
前者は、イランが「IAEAの抜き打ち査察の受け入れを23日に停止する」と通告したことを受け、IAEAトップのグロッシ事務局長がこの週末にイランを緊急訪問。その後、イラン政府から正式に「査察受け入れ停止」の発表が観測されたが、グロッシ氏の熱意が伝わったのか、最終的には同氏から「最大3ヵ月の査察受け入れで合意」との発言が聞かれるなど、翻意に成功したようだ。最悪の事態は免れたと言えそうだが、査察の規模も縮小を余儀なくされる可能性があるなどといった懸念の声も聞かれており、引き続き予断は許さない。

対して後者は、米国務省の報道官から「中国海警法」への懸念発言が聞かれるなか、実際に20日、21日と連日で中国海警局の船が日本の尖閣諸島沖で領海侵入。また、「中国軍機11機、台湾防空識別圏に侵入」、「中国、高性能戦車をインド国境に投入」−−など傍若無人、やりたい放題の動きがそこここで観測されている。なお、それとは別に中国人民銀行は「10ヵ月連続で政策金利を据え置き」と発表したほか、国家外為管理局は対外投資の一段の拡大を年内に容認する方針を示したことが明らかになっている。

<< 欧米市場の見通し >>

NYダウの値動きはというと、一時期見られた右肩上がりの傾向は鳴りを潜めた感があるものの、リスクが引き続き株高方向に高い状況にあることは間違いない。調整局面に入りそうで入らないという展開で、それを受けて為替相場もリスク選好ムードを維持したまま。結果としてドル安、円安に動きやすいが、そのなかでも敢えて強弱をつければドル高・円安ということになりそうだ。ドルはさらに続伸し、先週末高値の105.74円をトライする局面を予想する声も聞かれている。
このあとも、引き続き米株と米金利の動きにはまず注目だ。リスク選好の好循環がどこまで続くのか、動静をしっかりと見極めたい。材料的には前述した中国情勢や新型コロナをめぐる動きなどに注目。後者に関しては、ワクチン争奪戦があちこちで取り沙汰されるなか、ジョンソン英首相が導入してきた都市封鎖措置を3月8日に緩和する方針を示している。再び感染拡大といった事態にならなければよいのだが・・・・・・。

テクニカルに見た場合、ドル/円は17日に高値106.22円を示現後、調整局面入りしていた感を否めないが、ここにきてドル高の機運が再燃しているようだ。前記したように、先週末のNYクローズで下回ってきた移動平均の200日線を、本日東京時間に再び上回る展開となっている。まだいくつかハードルはあるものの、このあともドルは続伸し106円台回復、そして前回高値106.22円に接近あるいは更新する展開をたどるのか否かに注目だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる対立や人権問題などで話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月のシカゴ連銀全米活動指数や2月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定だ。先週発表された米指標は総じて良好だった流れを継げるのか、期待半ばで注視している向きは少なくない。ほかにラガルドECB総裁やボウマンFRB理事などの講演やイベント参加も複数実施される見込みとなっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-106.20円。上方向は、東京高値にあたる105.70-75円の攻防にまずは注目。抜けると106円前後、そして前回のドル高値106.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと上抜けている移動平均の200日線(105円半ば)をめぐる攻防を引き続き注視。再び下回ってくると、105.20円などが意識されそうだ。

200日線を再び上抜け、ドル続伸期待も

ドル円日足


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