ドル円、米長期金利を睨みながらの神経質な展開。本日はパウエル議長の議会証言に注目
〇ドル円米長期金利の上昇に欧州時間に105.84まで値を伸ばす
〇その後米長期金利反落に104.99まで急落
〇ユーロドル1.2091まで下落後、米長期金利の反落、独IFO景況指数の好調に1.2156付近に戻す
〇ドル円200日線、転換線下抜けドル高ムード鎮静化の動きも
〇パウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言に注目、一部でテーパータントラムに警戒感も
〇本日の予想レンジ:104.60ー105.60
海外時間のレビュー
22日(月)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。@バイデン新政権による追加経済対策期待の高まりや、A半期に一度のパウエルFRB議長議会証言を前にした警戒感(テーパータントラムへの警戒感)、B上記@Aを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは約1年ぶり高水準となる1.39%まで急上昇)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、一時105.84まで急伸しました。しかし、節目106.00をバックに伸び悩むと、C米長期金利の急低下(米10年債利回りが1.39%から一時1.33%まで急低下)や、D短期筋のロスカット(200日移動平均線をクリアに割り込んだことに伴うストップSELL)が重石となり、米国時間には一時104.99まで急落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、105.08近辺で推移しております。
22日(月)の外国為替市場でユーロドルは続伸。@米長期金利の上昇(米10年債利回りは約1年ぶり高水準となる1.39%まで急上昇)を背景に、一時1.2091まで下げ幅を広げるも、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、Aドイツ2月IFO企業景況感指数(結果92.4、予想90.5、前回90.3)の力強い結果や、B米長期金利の急低下(米10年債利回りが1.39%から一時1.33%まで急低下)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.2156近辺で推移しております。尚、昨日はラガルドECB総裁より「ECBは長期的な名目国債利回りの動きに注視している」との発言が見られましたが、ユーロドル相場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は先週半ば(2/17)に記録した約5ヶ月ぶり高値106.22をトップに反落に転じると、昨日は一時104.99まで急落しました。この間、200日移動平均線や一目均衡表転換線を下抜けするなど、先週までのドル高ムードに沈静化の動きが見えつつあります。但し、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転(強い買いシグナル)が継続していること、ダウ理論的に上昇トレンドが継続していること(高値と安値を同時に切り上げるチャート形状)等を踏まえると、足元の下落は「上昇トレンドの過程で見られる一時的な下押し局面」と判断できます(テクニカル的には上昇トレンド継続)。
こうした中、本日は2/24日本時間0時00分から開始されるパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言(上院銀行委員会)に注目が集まります。新型コロナウイルスの感染拡大が一段落する中、インフレ率の上昇に伴うテーパリングについての言及がなされるか否かが焦点となります。当方では「テーパリングは時期尚早・金融緩和の長期化強調」の組み合わせを想定しておりますが、市場では一部テーパー・タントラムを意識した動きも見られている為(2013年5月のバーナンキショックの再来)、米長期金利急上昇→米株急落→リスク回避のドル買い・円買いの波及経路には念の為注意が必要でしょう(海外時間はボラティリティの急拡大に要警戒)。尚、本日は本邦休場で且つビッグイベント前(パウエルFRB議長議会証言)ということもあり、アジア時間は静かな動きとなりそうです。
本日の予想レンジ:104.60ー105.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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