南アランド週報:『約1年ぶり高値圏から急反落。リスクオフ再燃に要注意』(2/27朝)

南アフリカランドの対円相場は、2/24に記録した約1年ぶり高値7.35円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時7.01円まで急落しました。

南アランド週報:『約1年ぶり高値圏から急反落。リスクオフ再燃に要注意』(2/27朝)

約1年ぶり高値圏から急反落。リスクオフ再燃に要注意

〇今週の南ア円、コロナ収束期待、プラチナ価格上昇、南ア法人税引き下げ等で週央にかけ7.35まで上昇
〇その後米金利上昇によるリスク回避ムード、プラチナ反落、株価下落で週末にかけ一時7.01まで下落
〇テクニカルには転換線、ボリンジャーミッドバンド、21日線等下抜け、上昇相場終焉を意識させる形状
〇ファンダメンタルズの懸念材料も増加
〇米長期金利動向、プラチナ価格等要注視
〇南ア円下落に見通しを変更、来週の予想レンジ(ZARJPY):6.90ー7.25

今週のレビュー(2/22−2/26)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.19円で寄り付いた後、@新型コロナウイルスの収束期待(南アフリカ型変異種にも効果があるとされる米ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン接種の開始)や、A南アフリカの主要輸出品であるプラチナ価格の堅調推移(約6年半ぶり高値圏)、B南ア政府による減税策の発表(ムボウェニ財務相は予算演説で当初計画していた所得税の増税を見送った他、法人税を28%から27%へ引き下げる方針を発表。法人減税は約10年ぶり)、C上記@ABを背景とした南ア株の堅調推移が支援材料となり、週半ばにかけて、年初来高値7.35円(昨年2/25以来、約1年ぶり高値)まで上昇しました。

しかし、D米長期金利の高騰を背景にリスク回避ムードが強まると、E上記Aで示したプラチナ価格の反落(ドル高→商品安)や、F株式市場の軟調推移が重石となり、週末にかけては、週間安値7.01円(2/4以来、約3週間ぶり安値圏)まで急落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(2/27日本時間午前5時30分現在)では7.05円前後で推移しております。

来週の見通し(3/1−3/5)

南アフリカランドの対円相場は、2/24に記録した約1年ぶり高値7.35円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時7.01円まで急落しました(大陰線の出現)。この間、一目均衡表転換線を下抜けした他、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線も下方ブレイクするなど、上昇トレンドの終焉を意識させる冴えないチャート形状となりつつあります(目先は心理的節目7.00円を試すシナリオを想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア第4四半期失業率は一段と悪化)や、A米長期金利高騰に端を発した世界的なリスクオフ再燃(米長期金利上昇→株式市場や商品市況の下落→リスク回避のエマージング通貨売り)、B西アフリカで広がるエボラ出血熱への警戒感(西アフリカから南アフリカへ波及するリスク)等、南アランドの続落を意識させる懸念材料が増えつつあります。

以上の通り、南アランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、ダウンサイドリスクが警戒されます。米長期金利の動向や、商品市況の値動き(特にプラチナ価格)を睨みながらも、当方では、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(先週までは上昇見通しを維持してきましたが、米長期金利高騰に伴う市場環境の変化に鑑み、南アランドに対する見通しを、ブルからベアに変更)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.90ー7.25

注:ポイント要約は編集部

約1年ぶり高値圏から急反落。リスクオフ再燃に要注意

南アランド円日足

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