約1か月ぶり安値圏へ急反落。200日線も割り込む展開
〇今週のトルコリラ円15.18で上昇を阻まれ週末にかけて一時14.18まで急落
〇トルコの経済指標悪化、トルコ株軟調、世界的なリスクオフ再燃等が重石に
〇7営業日連続陰線、200日線下方ブレイク等テクニカルの地合いも悪化
〇米長期金利高騰もトルコ安材料、トルコ見通しを上昇から下降に変更
〇来週はトルコ4QGDP、2月CPI要注視
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.90ー14.60
今週のレビュー(2/22−2/26)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初15.13円で寄り付いた後、早々に週間高値15.18円まで上昇しました。しかし、2/16に記録した約6ヵ月半ぶり高値15.28円をバックに続伸を阻まれると、@トルコ中銀が先週の会合で利上げを再度見送ったこと(材料出尽くし感)や、Aトルコ2月設備稼働率の冴えない結果、Bトルコ1月観光客入国数の大幅減少、Cトルコ株の軟調推移、D200日移動平均線を割り込んだことに伴う短期筋のロスカット、E米長期金利高騰に端を発した世界的なリスクオフ再燃、Fトルコ2月経済信頼感指数の予想比悪化が重石となり、週末にかけて、1/29以来、約1ヵ月ぶり安値となる14.18円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(2/27日本時間午前5時30分現在)では14.34円前後で推移しております。
来週の見通し(3/1−3/5)
トルコリラの対円相場は、2/16に記録した約6ヵ月半ぶり高値15.28円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる14.18円まで急落しました(7営業日連続陰線)。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、市場参加者に注目される200日移動平均線も下方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となっております(来週は強い買いシグナルを示唆する三役好転の消失も視野に入ることから、上昇から下落へのトレンド転換に要注意)。
ファンダメンタルズ的に見ても、米長期金利高騰に端を発した世界的なリスクオフ再燃が、トルコリラをはじめ新興国通貨の下押しに繋がる恐れがある他(米長期金利上昇→株式市場の下落→リスク回避のエマージング通貨売り)、これまでトルコリラの上昇を牽引してきたトルコ中銀による追加利上げ期待も、先週の2会合連続据え置きを経て、材料としての鮮度が失われつつあります(材料出尽くし感)。
以上を踏まえ、当方では、トルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(先週までは上昇見通しを維持してきましたが、米長期金利高騰に伴う市場環境の変化に鑑み、トルコリラに対する見通しを、ブルからベアに変更)。来週は、米長期金利の動向に加えて、3/1のトルコ第4四半期GDP、3/3のトルコ2月消費者物価指数(CPI)に注目が集まります。特にCPIが市場予想を上回る結果となれば、トルコ中銀の金融政策の先行きを巡る思惑を通じて、トルコリラ円相場が一段と動意づく恐れもあり注意が必要でしょう(想定される経路は2つ。@CPI上昇→トルコ中銀による追加利上げ観測再燃→トルコリラ買い、ACPI上昇→追加利上げをトルコ中銀に催促する目的でのトルコリラ売り。尚、当方は後者を想定)。
来週の予想レンジ(TRYJPY):13.90ー14.60
注:ポイント要約は編集部
トルコ円日足
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