ドル高傾向続くか注視、米株の動きが鍵握る(2/18夕)

18日の東京市場はドルが小高い。上値も重く106円にはとどかなかったが、それでもドルは終盤にかけて高値圏での強保ち合いに。

ドル高傾向続くか注視、米株の動きが鍵握る(2/18夕)

ドル高傾向続くか注視、米株の動きが鍵握る

〇ドル円、ドルが小高く16時現在でも105.90前後の日中高値圏で推移
〇リッチモンド連銀総裁、米経済は「全般的にかなり楽観的」との見方
〇バイデン氏、トランプ前政権の方針覆し「WHOに約2億ドル拠出」する方針
〇東京時間、NYダウ先物など主要米株3指数は値動き小幅ながらいずれも冴えず
〇米株が調整局面入りとなれば為替市場でのドル高の流れが反転する可能性も
〇105円半ばに位置する移動平均200日線が下値を維持する限りはドル強気で可
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.30-106.30

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小高い。上値も重く106円にはとどかなかったが、それでもドルは終盤にかけて高値圏での強保ち合いに。

ドル/円は、105.85円レベルで寄り付いたのち値を崩すと、日中安値の105.70円前後へと小反落。しかし、持ち直すとV字型の回復をたどり、全戻しを達成している。終盤は106円にこそとどかなかったが底堅く、16時現在でも105.90円前後の日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済情勢」と「米政治情勢」について。
前者について、16日に発表された2月のNY連銀製造業景況指数が予想を大きく上回ったことに続き、昨日の1月の設備稼働率や2月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標も予想を超える好数字に。また、リッチモンド連銀総裁も、2021年の米経済見通しについて、「全般的にかなり楽観的」との見方を示していた。米ファンダメンタルズの改善期待、楽観論が為替市場においてもドル高を強く支えている感を否めない。
対して後者は、オースティン米国防長官がNATOの国防理事会に初参加し、条約で定められた「集団防衛」義務順守への確固たる決意を各国に伝えていたという。また、イエレン米財務長官が、サウジアラビアのジャダーン財務相と電話会談を行うなど、引き続き積極的な外交スタンスが目につく。さらにバイデン氏は、トランプ前政権の方針覆し、「WHOに約2億ドル拠出」する方針も改めて示していた。

<< 欧米市場の見通し >>

暗号資産の騰勢止まらず。ビットコインは昨日52500ドル台まで上昇し、年初からの上昇が75%にも達しているが、まだまだ天井を付けたとは言えそうにない。それに対し、NYダウも依然として堅調ではあるが、一時期からは勢いがやや減退している感のうかがえるところは気掛かり。本日の東京時間、時間外で取引されているNYダウ先物など主要な米株3指数は、小幅ながらいずれも冴えず。米株の本格的な調整局面入りとなれば、為替市場においてもドル高の流れが反転する可能性もある。

このあとも引き続き米株と米金利の動きにまずは注目。材料的に注視されるのは、ここ最近発表される指標内容が良好であることでの米経済指標発表のほか、米国主導で実施されるクァッドと呼ばれる「米国務省と日豪印外相によるオンライン会議」などになる。後者と絡めて言えば、先でも取り上げたようにバイデン政権誕生後、主要閣僚がコロナ禍のなか、電話やテレビ形式ながら積極的な外交を繰り返しており、スケジュールにない要人会談などにも一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクは引き続きドル高基調に高いとみられるものの、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のちょうど半値戻しにあたるテクニカルポイント106.22円でピタリ上げ止まったことは若干気に掛かる。ただ、それでも105円半ばに位置する移動平均の200日線が下値を維持する限りは、ドル強気の考えで間違いないのだろう。ドル高再燃となるのか否かに注目だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権や人権問題などで様々な対立を抱える「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定だ。米指標は連日の好数字だけに本日の指標に対しても市場の期待感は強い。また、別にブレイナードFRB理事による講演なども注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.30-106.30円。上方向は、フィボナッチポイントにもあたる昨日示現したドル高値106.22円をめぐる攻防にまず注目。しっかり超えれば107円に接近する展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の105.70円レベル、そして移動平均の200日線が位置する105円半ばなどがサポートとして意識されている。底堅いイメージは変わらずだが、200日線をアッサリ下回るようだと、その限りではない。

ドル高傾向続くか注視、米株の動きが鍵握る

ドル円日足

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