ドル円、高値圏から反落。冴えない米経済指標と米長期金利の低下が重石
〇ドル円伸び悩み105.60近辺に下落
〇テーパリング議論のなかったFOMC議事要旨、冴えない米指標からの米長期金利低下が背景
〇ユーロドル、上記に加えユーロ圏2月消費者信頼感指数の改善で1.2093まで持ち直し
〇ドル円ドル高ムード後退、オシレーター系過熱が引き金か
〇テクニカルには上昇トレンド維持を示唆ファンダメンタルズも好調で一巡後はリスク選好回復期待される
〇引き続きドル高円安を予想、本日5・10日で公表にかけてのドル買いに注意
〇本日の予想レンジ:105.30ー106.00
海外時間のレビュー
18日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@日本時間早朝に発表されたFOMC議事要旨にサプライズが見られなかったこと(テーパリングに関する議論なし→早期テーパリング観測後退→ドル売り)や、A米1月住宅着工件数(結果158.0万件、予想165.8万件、前回166.9万件)および、B米新規失業保険申請件数(結果86.1万件、予想76.5万件、前回79.3万件)の冴えない結果、C上記ABを受けた米長期金利の急低下(米10年債利回りは前日に記録した1.33%から1.26%へ急低下)、D対英ポンドでのドル売り圧力(新型コロナワクチンの接種が他国より進んでいることを好感する形で英ポンドのショートカバーが活発化)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値105.60まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、105.63近辺で推移しております。
18日(木)の外国為替市場でユーロドルは反発。@米長期金利の低下に伴うドル売り圧力や、A英ポンドの急上昇(ユーロドルも連れ高)、B米経済指標の冴えない結果、Cユーロ圏2月消費者信頼感指数(結果▲14.8、予想▲15.0、前回▲15.5)の持ち直しが支援材料となり、米国時間引けにかけて、高値1.2093まで上昇し、そのまま高値圏でのクローズとなっております。尚、昨日発表されたECB議事要旨では「ユーロ高への懸念」が改めて表されましたが、市場の反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は一時105.60まで反落するなど、前日までのドル高ムードが後退しました(前日記録した約5カ月ぶり高値106.22から105.60まで急反落。RSI等のオシレータ系インジケータに過熱感が見られていたことも短期筋のショートエントリーを誘発する形に)。但し、@一目均衡表三役好転(強い買いシグナル)が継続していること、A200日移動平均線(105.49)を死守できていること等を踏まえると、足元の下落は「上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目」と判断できます(テクニカル的には上昇トレンドの継続を示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、新型コロナウイルスの収束期待や、バイデン政権の追加経済対策期待など、2021年後半以降の景気回復(V字回復)を意識させる好材料が増えつつあり、一巡後は再びリスク選好の動き(景気回復期待→株高・長期金利上昇→投資家心理改善の流れ)が広がると考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的なドル高・円安(200日線をバックに押し目買い)をメインシナリオとして予想いたします(※本日は日本時間8:30に発表される本邦の1月消費者物価指数や、同23:45の米2月PMI速報値、同24:00の米1月中古住宅販売件数に注目)。尚、本日は5・10日(2/20が土曜日の為、前倒し)となるため、日本時間9:55の公表相場決定にかけてのドル高・円安にも注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:105.30ー106.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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