米株高、ドル高の流れ続くか動静を注視(2/17夕)

17日の東京市場は「行って来い」。一時ドル買いが優勢で、直近の戻り高値を更新したものの続かなかった。

米株高、ドル高の流れ続くか動静を注視(2/17夕)

米株高、ドル高の流れ続くか動静を注視

〇ドル円、105.90-95で寄り付き緩やかな右肩上がりで日中高値106.20-25まで値を上げる
〇米株高の動きが仮に止まると相場が一気に崩れることが予想、ドル/円の流れも反転する可能性
〇本日は1月小売売上高や2月NAHB住宅市場指数などの米経済指標が発表
〇ローゼングレン・ボストン連銀総裁の講演やFOMCの議事録要旨公開などにも注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.50-106.50

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は「行って来い」。一時ドル買いが優勢で、直近の戻り高値を更新したものの続かなかった。

ドル/円は、ドルがじり高に推移した前日NY時間の流れを継ぎ、105.90-95円で寄り付いたのち緩やかな右肩上がり。日中高値の106.20-25円まで値を上げている。しかし、昨年10月以来の106円台ということで、上値では実需筋のドル売りなども厚く、レベルを維持できず。ジリジリと105円台へ押し戻されると、16時現在では寄り付きレベルの105.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、前日史上初の5万ドル乗せを記録した暗号資産ビットコインは、東京でもしっかり。やはり一時5万ドル台を示現している。

一方、材料的に注視されていたものは、「米経済情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者について、昨日筆者は「2月の米経済指標、対策進展期待やワクチン接種の拡大などが支援材料になり総じて好数字になる可能性もある」と報じたが、発表された2月のNY連銀製造業景況指数は予想であるプラス6.0を大きく上回るプラス12.1となり、為替市場ではドルの支援要因に。その後も、ブラード・セントルイス連銀総裁から「米経済成長は中国を上回る可能性がある」などといった楽観的な発言が聞かれていたようだ。コロナワクチンの接種次第といった面もあるものの、為替市場においてはリスク選考の動きがいましばらく続く可能性もある。

対して後者は、朝鮮中央放送が「金総書記、『光明星節(父の故金正日総書記の誕生日)』を迎え、平壌の錦繍山太陽宮殿を参拝」と報じたほか、労働新聞は、金総書記夫人の李雪主氏が「約1年ぶりに公の場に登場」などと指摘し、一部で話題に。そうしたなか、聯合ニュースは「新型コロナウイルスワクチンの技術を盗み取ろう」とする動きから、「北朝鮮が米製薬大手ファイザーにハッカー攻撃を仕掛けた」と糾弾していた。

<< 欧米市場の見通し >>

暗号資産や日米株価の活況に遅れを取っていた為替市場だが、ようやくその「波」に乗ってきた感を否めない。ドル/円も一時106円台に乗せるなど、上値を阻んでいた移動平均の200日線も「しっかり」と上抜けてきた。続伸が期待されている。短期的には足もとの流れ、ある種の「好循環」が続く見込みだが、先で取り上げた暗号資産や日米株価は単なる行き過ぎが取り沙汰されるだけでなく、「バブル」との声も一部から聞かれていることはやや気掛かりか。リスク管理だけは怠らないように努めたい。

本日も注目される要因のひとつは、まず米株と米金利の動き。うち、前者については東京時間の時間外取引でNYダウ先物など主要3指数は、前日終値レベルでの推移と、やや冴えない動きをたどっていた。好循環を支える米株高の動きが仮に止まるようだと、相場が一気に崩れることも予想され、ドル/円の流れが反転しかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は強い抵抗として寄与していた移動平均の200日線を前日上抜けたことに続き、本日の東京時間にドルは続伸。106.20-25円まで上値を伸ばしている。
ただ、何度かレポートしたように、前記した東京高値の106.20-25円は、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のちょうど半値戻しにあたるテクニカルポイント。前後のレベルでドルの上値が再びキャップされてしまう可能性もないではない。本日も引き続き攻防には要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権や人権問題などで様々な対立を抱える「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月の小売売上高や2月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された2月のNY連銀製造業景況指数が好数字だっただけに、本日の指標についても関心が高まっている感を否めない。また、ローゼングレン・ボストン連銀総裁による講演や、FOMCの議事録要旨公開なども注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。上方向は、本日東京高値であり、フィボナッチポイントにもあたる106.20-25円をめぐる攻防をまず注視。超えれば107円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けてきた移動平均の200日線が位置する105円半ば。現状、「しっかり」と上抜けてはいるが、このあと意外にアッサリと再び割り込んでしまうと、ドルの上値は「ダマシ」ということにもなりかねないだろう。

米株高、ドル高の流れ続くか動静を注視

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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