ドル円、約5ヵ月ぶり高値圏へ急伸。米経済指標は軒並み力強い結果に
〇ドル円米CPI、小売売上高の好調に106.21まで上昇するも東京時間高値106.22に届かず失速
〇その後米長期金利低下で105.90レベルまで値を崩す
〇FOMC議事要旨テーパリング記述なくノーサプライズ
〇ユーロドルは米長期金利上昇とドラギ伊首相の伊経済先行き悲観発言に一時1.2024まで急落
〇ドル円テクニカルファンダメンタルズとも強く短期的ドル高円安がメインシナリオ
〇本日旧正月明け、中国勢の復帰で流動性戻る
〇本日の予想レンジ:105.50ー106.30
海外時間のレビュー
17日(水)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@バイデン新政権による財政出動期待や、Aワクチン普及伴う新型コロナウイルスの収束期待、B世界的な株高・米長期金利上昇、C米1月生産者物価指数(結果2.0%、予想1.1%)の伸び率加速、D米1月小売売上高(結果5.3%、予想1.0%)の力強い結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて一時106.21まで上昇しました。
しかし、アジア時間に記録した日通し高値106.22に届かず失速すると、E米FOMC議事要旨を控えた警戒感や、F米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.33%→1.27%)、G短期筋のロスカット(ストップSELL)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、105.90近辺まで値を崩す展開となっております。尚、日本時間早朝に発表されたFOMC議事要旨では、一部で警戒されていたようなテーパリングに関する記述は見られず、総じてノーサプライズの結果となっております(一時的なインフレに留意しつつも、実質的な進展には時間がかかる→早期テーパリングを否定→金融緩和の長期化スタンスを強調)。
17日(水)の外国為替市場でユーロドルは下落。@ドラギ首相がイタリア経済に対して悲観的な見方を示したことや、A米長期金利の急上昇、B英国と欧州における新型コロナワクチンの接種格差(ユーロポンドの下落)、Cテクニカル的な地合いの弱さ(一目均衡表基準線及び転換線を割り込んだことに伴う短期筋のロスカット)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、2/8以来となる安値1.2024まで急落しました。米国時間にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.2040近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は2/8に記録した安値104.41をボトムに反発に転じると、昨日は一時106.22(昨年9/11以来、約5ヵ月ぶり高値圏)まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も発生するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さが確認されます(但し、RSIに過熱感が見られることから、一時的な反落リスクには要警戒)。
ファンダメンタルズ的に見ても、ワクチン普及に伴う新型コロナウイルスの収束期待(3月に世界各国がロックダウンを解除し、世界経済が持ち直すのではないかとの期待感)や、バイデン政権の追加経済対策期待、世界的に広がるリスク選好ムード(株高・長期金利上昇→投資家心理の改善)など、ドル高・円安を想起させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的なドル高・円安をメインシナリオとして予想いたします(米国時間に発表される米1月住宅着工件数、米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米新規失業保険申請件数が良好な結果となれば、前日高値106.22を上抜け、ドル高・円安が一段と進行する可能性あり)。尚、本日より旧正月(春節)明けの中国勢が戻ってくる為、アジア時間帯の流動性向上が期待されます。
本日の予想レンジ:105.50ー106.30
注:ポイント要約は編集部
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