ドル高基調は継続、200日線めぐる攻防注視(2/8夕)

週明け8日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は狭いが、ドルはレンジ内での強保ち合いが目につく展開だった。

ドル高基調は継続、200日線めぐる攻防注視(2/8夕)

ドル高基調は継続、200日線めぐる攻防注視

〇ドル円、105.55レベルまで値を上げ200日移動平均線も近くに、16時で105円台半ばの高値圏を維持
〇フォンデアライエン欧州委員長がバイデン米大統領に6ヵ月間の関税停止の申し出を検討と報道
〇対露関係ではロシア外務省がドイツ、ポーランドなど3人の欧州外交官の国外追放を決定し対立が深化
〇ブリンケン米国務長官が楊共産党政治局員と電話会談を行うが互いに譲らず舌戦に
〇本日はラガルドECB総裁や仏中銀総裁、米連銀総裁などによる講演が実施される見込み
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.10-105.90

<< 東京市場の動き >>

週明け8日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は狭いが、ドルはレンジ内での強保ち合いが目につく展開だった。

前週末、「日米豪印4ヵ国がテレビ電話方式での首脳会談開催へ調整」と報じられたほか、暗号資産のビットコインは再び4万ドルの大台超えしたことが明らかに。また同じく暗号資産のイーサリアムは一時1760ドル前後をつけ、過去最高値を更新している。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた105.30-35円を日中安値にドル買い先行。105.55円レベルまで値を上げてきた。移動平均の200日線も近くに位置するとあって、同レベルでは上げ渋るもドルは強保ち合い。105.40円前後が底堅く、16時現在でも105円半ばの高値圏を維持、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州の対外情勢」と「米中対立」について。
前者は、コロナワクチンをめぐり英国との摩擦が取り沙汰されているフランスのマクロン大統領がジョンソン英首相と電話会談を実施。「ワクチンめぐる政府間の協力が必要との認識でした」ことを明らかにするなか、ブルームバーグは米欧関係について「フォンデアライエン欧州委員長が、バイデン米大統領との電話会談で6ヵ月間の関税停止を申し出ることを検討している」と報じていた。さらに、対露関係については、ロシア外務省がドイツやポーランドなど合計3人の欧州外交官の国外追放を決めたと発表。対立の深化などで物議を醸す格好となっている。

対して後者は、ブリンケン米国務長官が中国外交トップの楊共産党政治局員と電話会談を行うなか、互いに譲らず舌戦になったもようだ。時事通信では、米国が「台湾を含むインド太平洋地域の安定を脅かす行為には、同盟国と連携し中国に責任を負わせると強調」した反面、中国サイドは「核心的利益に触れる問題では譲らない立場を明確にした」という。なお、そうしたなかCBSは、バイデン米大統領がインタビューに応じ、「中国との関係は前政権と異なるものになる」と言明したと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルは先週レンジの上限を超えてきたこともあり、リスクは上方向にバイアス。ただ、確かに下値はかなり堅くなっている感を否めないが、上値も重く、先週末に記録した高値105.76円は本日ここまで超えられていない。105.60円レベルに位置する移動平均の200日線がドルの上値を目先阻むことも否定できず、ドル/円は105円台を中心に短期的には強保ち合いか。価格ではなく時間的な調整の様相を呈する可能性もありそうだ。

このあとの欧米時間は、引き続き米株価の動きにまずは注視。ちなみに、時間外で取引されているNYダウ先物など主要な米株3指数はこぞってプラス圏で推移するなど堅調だ。NY時間の現物取引も上昇するとの期待感が優勢となっている。そうした一連の株高の背景のひとつに、バイデン氏の経済対策への期待も指摘され、先週末には1月の米雇用統計発表後に、「経済がまだ苦境にあるのは極めて明白」と強調したうえ、大型財政出動の必要性を訴えていた。米要人などによる発言には本日も要注意。

テクニカルに見た場合、ドルは先週末105.76円まで上昇し、昨年11月高値をわずかに上抜くも続伸せず。NYクローズベースでは、移動平均の200日線が抵抗として寄与した感を否めず、本日も引き続き同レベルをめぐる攻防が注目だ。しっかり超えれば次は106円台回復をうかがうことになりそうで、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは106.20-25円がテクニカルポイントになる。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、目立った米経済指標の発表は予定されておらず、そうした意味では若干動きにくそうな雰囲気も。ただ、欧州においてはラガルドECB総裁やヴィルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁、米国ではメスター・クリーブランド連銀総裁などによる講演が実施される見込みだ。要人発言には注意を要するかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.10-105.90円。先週末高値105.76円をめぐる攻防にまずは注視。抜ければ106円台回復も。また、それとは別に、ザラ場ベースはもちろんのことNYクローズベースで移動平均の200日線を超えられるか否かにも注意を払いたい。
対するドル安・円高方向は、東京早朝に示現した105.30-35円が最初のサポート。割り込んだ場合には105円前後を目指すが、下値はかなり堅そうだ。

ドル高基調は継続、200日線めぐる攻防注視

ドル円日足

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