ドル高基調は継続か、米雇用指標を注視(2/3夕)

3日の東京市場はレンジ取引。先月末にかけてドルは形成していたレンジを上抜けたものの、ここにきて再びボックス相場入りしてしまった感も否めない。

ドル高基調は継続か、米雇用指標を注視(2/3夕)

ドル高基調は継続か、米雇用指標を注視

〇ドル円、104.95前後で寄り付き終日20ポイントにも満たないレンジ取引
〇日経平均株価は3日続伸し本日も284円の大幅高となったが為替市場への影響は限定的
〇ドル円は200日移動平均線が当面の抵抗か
〇昨日の米1月ISM製造業景況指数は予想を下回ったが、政権移行による新たな景気刺激策への期待が強い
〇本日発表の米1月ADP雇用等統計や同ISM非製造業総合指数などに注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.60-105.50

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場はレンジ取引。先月末にかけてドルは形成していたレンジを上抜けたものの、ここにきて再びボックス相場入りしてしまった感も否めない。

ドル/円は104.95円前後で寄り付いたものの、総じて動意は鈍く、終日を通して20ポイントにも満たないレンジ取引。105円挟みでの一進一退にとどまっている。日経平均株価は3日続伸、本日も284円もの大幅高をたどったが為替市場への影響は限定的だった。方向性の乏しいまま、16時現在では105.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米中関係」について。
前者は、依然として感染拡大が止まらず、日本では菅首相が10都府県を対象に緊急事態宣言の延長を事実上決定。そうしたなか、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長が「変異株の流行を食い止めるため、マスクの2枚重ねを推奨する可能性がある」などと述べ一部で話題に。また、英保健当局は「英コロナ変異種がさらに変異した」ことを明らかにしたうえで、「ワクチンの有効性が低下する恐れがある」としたことで、市場の危機感も一時高まっていた。

対して後者は、中国で外交担当トップの楊共産党政治局員から、「トランプ前政権の対中政策が誤りだった」と指摘されたうえ「米中関係を建設的な軌道に戻そう」とする秋波が送られるなか、米国サイドは米国務省のプライス報道官が、「中国政府は台湾に軍事・外交・経済的圧力をかけるのをやめるべき」だと表明。関係改善はそう簡単でなく、依然として難しいものがありそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

足もとのドル/円相場は105円挟みの値動き。レンジをしっかり上抜けたことは間違いないものの、予想ほど値が走らず、目先はむしろ上げ渋りの様相だ。テクニカルアナリストなどのあいだからは「今後、移動平均の200日線が当面の抵抗になる」との声も聞かれており、ドルが再び上昇しても105円半ばから後半で頭打ちになる展開を否定できないのかもしれない。

NYダウなど米株の動きについて、あまりに早過ぎる調整終了を気にする向きもあるが、ともかくそんな株高が潜在的なドルの下支えになるとの見方が有力だ。また、経済指標も先日発表された1月のISM製造業景況指数は予想を下回ったものの、トランプ政権からバイデン政権へと移行したこともあり、新たな景気刺激策への期待が強い。「新型コロナ」や「米中対立」などに注意を払いつつも、株高にも一端が示されている「期待先行」の動きからドルの底堅い値動きはしばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドルは先月28日にレンジを上抜けて以来、連日少しずつ高値を更新するなど、ドル高リスクに変化はみられない。
ちなみに、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは、105.35-40円が38.2%戻しにあたるため、次の抵抗としてまずは意識されそうだ。また、抜けても105.68円は昨年11月高値で、近い水準には移動平均の200日線も位置している。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン新米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料だが、1月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。週末発表の1月米雇用統計の先行指標となるADP指数だが、事前予想ではプラス5万人程度が見込まれており、前月のマイナス12.3万人から大きく改善する見通しだ。予想程度の数字であっても、市場は好感した動きとなるかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.60-105.50円。昨日のドル高値にあたる105.17円が最初のドルの抵抗。超えると105.35-40円や105.60円レベルなどが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ここ数日ドルの上値とともに下値もジワリと切り上がっている。そうした意味では昨日安値の104.83円が最初のサポートか。ただ、割り込んでも時間足など短期ベースでは104.60円前後がかなり底堅そうだ。

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ドル円日足

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