ドル高リスクくすぶるも、目先は上げ渋りか(2/1夕)

週明け1日の東京市場はドルが小安い。先週末には一時105円に接近する局面も見られたが結局抜けず、本日も上げ渋りの様相。

ドル高リスクくすぶるも、目先は上げ渋りか(2/1夕)

ドル高リスクくすぶるも、目先は上げ渋りか

〇ドル円、104.60-75、底堅いが上値も重いというレンジ取引
〇中国外務省による香港市民の英国海外市民パスポート失効方針、英外務省「決定に失望」
〇中国シャオミ「投資禁止措置は違憲」と主張、米財務省などを提訴
〇WHO、ワクチン輸出を許認可制とするEUを批判
〇NYダウ、本日東京における時間外の先物取引は3ケタ台の反発
〇本日は、1月製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.20-105.00

<< 東京市場の動き >>

週明け1日の東京市場はドルが小安い。先週末には一時105円に接近する局面も見られたが結局抜けず、本日も上げ渋りの様相。

前週末、中国外務省が突然、多くの香港市民が保持資格を持つ「英国海外市民パスポート」を認めない方針を示し、物議を醸す。またコロナワクチンをめぐる欧州を中心としたゴタゴタは依然として続いているようで、そちらも別途話題に。
そうした状況下、ドル/円は104.75円前後で寄り付いたのち、日中高値である104.80円レベルを示現するも、ドル買いムードはそこまで。その後は104.60-75円、底堅いが上値も重いというレンジ取引をたどっている。16時現在では104.65-70円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、前述した香港市民への「英国海外市民パスポート」失効方針を受け、英国とのあいだでさらに亀裂を広げた感。事実、英外務省からは「決定に失望」といった声明が正式に発表されている。また、米中関係については、サリバン米補佐官が「バイデン政権として、香港問題などで中国への強い対応をとる」などと発言したほか、米軍から「ここ1週間の中国軍機の飛行は地域の不安定要因となる攻撃的な行動パターンに合致」とした中国軍機飛行を批判するコメントも聞かれていたようだ。それに対して、中国サイドはスマートフォン大手のシャオミが米財務省などを提訴、「投資禁止措置は違憲」と主張したことが明らかになっている。

対して後者は、感染拡大が止まらないなか、フランスが「EU加盟国以外からの入国を31日午前0時以降、原則禁止」と発表。また、ただでさえワクチンの供給遅延が取り沙汰されることもあり、欧州委員会は「ワクチンの域外への輸出を許認可制とするEU規則導入」を発表し物議を醸す。ちなみに、この発表について、WHOは「パンデミック長期化の原因となりかねない」などと警告、EUを批判していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末にかけ、上値を強く抑制していたレンジの上限104.40円に続き、移動平均の90日線なども上回ってきたものの、今度は105円の壁に阻まれている。ドルの上値方向のリスクが高まってきたとの見通しは依然有効で、「ダマシ」とまでは思わないが105円を超えていくのは簡単でなく、いま少し時間が必要なのかもしれない。目先は価格的な調整ではなく、時間的な調整の動きをたどる可能性もありそうだ。
材料的には、ワクチン接種や供給問題などを含めて「新型コロナ」に引き続き要注意しつつ、米株の動きをしっかりと見極めたい。NYダウは先週末、終値ベースでついに3万ドルの大台を割り込んできた。続落を懸念する声も聞かれるが、本日東京における時間外の先物取引は3ケタ台の反発だ。現物も同様に流れが反転するのか否かが注視されている。また、そのほかではロイターが報じた「日米財務相による初めての電話会談」にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、先週末に超えられなかった105円を前に本日もここまでドルが上げ渋り。ドルの上値トライはいったん仕切り直しの感も。
ただ、下値は先週しっかりと上回ってきた移動平均の90日線や一目均衡表の先行帯の雲の上限などがサポートになりそう。つまり、104.30-40円が底堅いと目される反面、105円レベルが重いとなると、足もとは104円半ばから後半を中心とした推移で底堅めか。次の動意に向けたエネルギー蓄積の動きをたどる公算が大きいようだ。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。またボストン連銀総裁やアトランタ連銀総裁による講演などのほか、前述した「日米財務相による電話会談」も実施される見込み。要人発言が波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.20-105.00円。先週末に示現した高値104.94円が最初の抵抗。それを超えれば当然105円突破を目指し、超えれば昨年11月高値である105.68円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週超えてきた移動平均の90日線などが位置する104.30-40円レベルの攻防にまずは注目。ただ、ザラ場ベースで一時的に割り込んでもスグに戻すような展開で、基本的に底堅そうだ。

ドル高リスクくすぶるも、目先は上げ渋りか

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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