トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「テクニカルなターゲットと重なる13.60レベルをサポートに、14円の大台超えでは売りが出やすくなると見て14.05レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは安値が13.71レベル、高値が14.04レベルと、思ったよりは底堅い取引となっていました。
先週のトルコリラは、ほぼ週を通してじり高の展開となっていましたが、これは前週末から週明けにかけてのトルコリラ売りに対して、トルコ中銀の金融政策イベントを前にポジション調整の買い戻しが出ていたことが主な要因と考えられます。前週末にはエルドアン大統領が久しぶりに高金利政策をけん制したことでトルコリラ売りに繋がったものの、イベントを前ににわかショートが買い戻したという動きです。
トルコ中銀は会合においてインフレを抑制するために引き締め政策を維持するとは言っていますが、トルコ中銀総裁が2人続けて更迭されたことを考えると、今回こそ予想通りに現状維持となったものの今後がどうなるかはやや懸念が出てきたというところです。トルコリラは中銀の声明後に14.04レベルの高値をつけましたが、週末に向けては材料出尽しということもあって改めて売りが出ました。
今週はいくつかの経済指標はありますが、どれも大きなインパクトがあるとは思えませんし、それ以上に以前から言われていたバイデン政権のトルコに対する制裁懸念が出ています。これは新たに国務長官となったブリンケン氏が、トルコは国の同盟国としてふさわしい行動を取っていないと非難した上で、更なる制裁を実施すべきかについて検討すると発言したことが今後どのような形で出てくるかのほうが気になるところです。
すぐにどうこうという動きは出て来ないかもしれませんが、エルドアン大統領に中銀けん制発言や米国国務長官のトルコ制裁発言と、今後のトルコリラ安要因が出てきたという感じがします。
テクニカルには、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
ここ2週間はほぼ横ばいのもみあいと言ってよいのですが、現状の水準がもみあいの上限に近く、1月7日高値は抜けないにしてもそれに近い水準は見ておいた方がよさそうです。安値は最近の安値圏を見ておけばよいでしょう。今週は年明け以降の値幅を参考にして、13.80レベルをサポートに14.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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