結局レンジに回帰、米大統領就任式に要注意(1/20夕)

20日の東京市場は、ドルが小安い。前日、一時的に104円台を回復したものの、定着せず。本日は終始103円台後半での推移となった。

結局レンジに回帰、米大統領就任式に要注意(1/20夕)

結局レンジに回帰、米大統領就任式に要注意

〇ドル円、ドルが小安く終始103円台後半での推移
〇イエレン新米財務長官「米国は競争的な通貨切り下げを志向しない。他国の為替操作にも反対する」
〇次期国務長官のブリンケン氏「中国を打ち負かせる」と発言
〇1円にもとどかないレンジ取引早くも2週間、そろそろレンジ放れに注意
〇世界のコロナ感染者、これまでのペースで推測すれば月内に1億人に達する可能性
〇ドルの下値ここ数日少しずつ切り上げ、続くようなら再び上値を試す可能性も
〇本日は1月のNAHB住宅市場指数発表、米財務省による20年債の入札などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.30-104.30

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドルが小安い。前日、一時的に104円台を回復したものの、定着せず。本日は終始103円台後半での推移となった。

ドル/円は103.85-90円で寄り付いたのち、日中高値の103.90-95円を示現。しかし104円にはとどかず、むしろその後はドル売り・円買いに押されている。日米株価の動きに一喜一憂しつつ、103.70-75円まで小緩むと低位揉み合いに。16時現在、ドル/円は103.75円挟みで推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新米財務長官発言」と「改善の兆しがない米中関係」について。
前者は、上院指名承認公聴会におけるイエレン新米財務長官の発言が話題に。イエレン氏に関しては、事前に「競争優位性のため弱いドルを目指すことはしないと明らかにする見通し」、「議会の行動なければ景気後退リスクと証言へ」、「政府が追加の新型コロナウイルス救済策で『大きな行動を取る』必要があるとの見解を示す見通し」−−などと伝えられていたが、実際にその流れに沿った発言が観測されている。加えて、「中国の不公正慣行は脅威であり、あらゆる手段で対抗する」、「米国は競争的な通貨切り下げを志向しない。他国の為替操作にも反対する」といった発言も別途聞かれていたようだ。

対して後者は、イエレン氏以外で承認指名公聴会に参加した何人かの人物から、現在関係の悪化している中国に対して厳しいコメントが発せられていた。たとえば、次期国務長官に指名されたブリンケン氏は「中国は最重要課題だ。強い立場で向き合う」と述べたうえで、「中国を打ち負かせる」と発言。また、次期国家情報長官に指名されているヘインズ氏は「中国の脅威に対して積極的なスタンスで対応する必要がある」と指摘、オースティン次期国防長官も同様のコメントをしていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

案の定というべきなのか、ドル/円相場は昨日一時的に104円台を回復し、レンジの上抜けが期待されたものの、結局失敗に終わっている。それにより、103.53-104.40円という1円にもとどかないレンジ取引は、早くも2週間近くへと達してきた。日柄的には、そろそろレンジ放れにも要注意なのだが・・・・・・。ともかく、引き続きレンジ放れの有無や、その方向性を注視したい。また、いわゆる「ご祝儀買い」の動きもあるのか、一応要注意。

そうしたなか、足もとは引き続き「新型コロナとワクチン接種」に関するニュースに注意を払いつつ、「新大統領就任式」を中心とした米政治情勢への注目度が高い。前者は、昨日ロイターが「ドイツのロックダウン(都市封鎖)措置を2月14日まで延長することでメルケル首相らが合意」と報じるなど、一向に収まる気配がない状況だ。そのほか、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で現在9577万人にまで膨らんでいる世界のコロナ感染者についても、これまでの拡大ペースから推測すれば「月内に1億人に達する」可能性も取り沙汰されるなど、ワクチン接種が進むなかだが依然として予断は許さない。

テクニカルに見た場合、前述したようにドル/円はレンジの上抜けが期待されたが結局失敗。依然として移動平均の21日線と90日線に挟まれた、80-90ポイントのレンジ取引が続いている。本日も引き続きレンジのどちらへ、どのタイミングで抜けていくのか、その方向性に注目だ。
ただ、若干気になるのは、ドルの下値をここ数日、少しずつ切り上げていることで、今後も続くようならドルは再び上値を試す可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、1月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表されるほか、モルガンスタンレーなどによる決算発表も実施される見込みだ。さらには、米財務省による20年債の入札など、話を米国だけに限っても材料は少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.30-104.30円。昨日高値にあたる104.08円が最初の抵抗で、抜けても104.20円前後や104.40円など上方向の抵抗は多い。ドルは頭の重い展開か。
対するドル安・円高方向は、細かなサポートはいくつか散見されるが、なかでも意識されているものは103円半ばで、移動平均の21日線も近い。割り込めば、103.30円や103円ちょうどなどがサポートに。

結局レンジに回帰、米大統領就任式に要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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