ドル円、約2週間ぶり安値圏へ反落。本日は政策金利の発表ラッシュ
〇ドル円米国時間に103.46まで反落イエレン氏のハト派的な公聴会発言やコロナ拡大への懸念が背景
〇米大統領就任式にサプライズなし
○ユーロドル欧州時間朝方にかけて高値1.2158まで上昇するも、米国時間には安値1.2077まで反落
○ドル円移動平均線の上位足から下位足に至る、全てのテナーで売りシグナルが点灯
○日銀金融政策決定会合をはじめ、本日は多くの国で政策金利発表のため、ボラティリティ拡大に注意
○本日の予想レンジ:103.10ー104.00
海外時間のレビュー
20日(水)の外国為替市場でドル円は下落。前日海外時間に一時104.08まで上値を伸ばすも、一目均衡表雲下限に続伸を阻まれると、@イエレン次期財務長官候補によるハト派的な指名承認公聴会(ドル売り)や、A新型コロナウイルスの感染拡大を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)、B米MBA住宅ローン申請指数(結果▲1.9%、前回16.7%)及び、C米1月NAHB住宅市場指数(結果83,予想86)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、安値103.46まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.55近辺で推移しております。尚、昨晩の米大統領就任式にサプライズは見られず、ジョー・バイデン氏が無事「第46代大統領」に就任しました(トランプ氏は退任)。
20日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。@イエレン次期財務長官候補によるハト派的な指名承認公聴会(ドル売り)や、Aドイツ12月生産者物価指数(結果0.8%、予想0.3%、前回0.2%)の伸び率加速、Bイタリアの解散総選挙が回避されたことに伴う安堵感(政局不透明感の後退)、C短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.2158まで上昇しました。しかし、1/15高値1.2163をバックに伸び悩むと、D新型コロナウイルスの感染拡大や、E欧州圏におけるロックダウンの長期化懸念(欧州経済への下押し圧力)、FECB理事会を翌日に控えたポジション調整が重石となり、米国時間には、安値1.2077まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2105近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は日に日に垂れ下がってくる一目均衡表「雲」と足並みを揃える形で下落に転じ、昨日は一時103.46(1/7以来の安値)まで下げ幅を広げました。テクニカル的に見ると、上位足から下位足に至る全てのテナーで売りシグナル(移動平均線のパーフェクトオーダー)が点灯するなど、地合いの悪さが確認されます。ファンダメンタルズ的に見ても、パウエルFRB議長、イエレン財務長官(前FRB議長)の強固な関係性の下、米金融緩和政策(ゼロ金利政策)の長期化(ドル売り)が見込まれる他、新型コロナウイルスの感染拡大を背景にリスク回避ムードの再燃(クロス円下落→ドル円連れ安)も意識されるなど、ドル売り・円買いを想起させる材料が足元で着実に増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(目先は心理的節目103.00や、1/7安値102.95、1/6安値102.58がターゲット)。尚、本日は日銀金融政策決定会合(BOJ)をはじめ、ノルウェー中銀(NB)、トルコ中銀(TCMB)、欧州中銀(ECB)、南アフリカ中銀(SARB)など多くの国で政策金利の発表が行われることから、外国為替市場のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:103.10ー104.00
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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