ドル円見通し 103円台後半での持ち合いから転落(21/1/21)

ドル円は1月20日深夜に103.44円まで下落、13日昼安値103.52円を割り込んだ。

ドル円見通し 103円台後半での持ち合いから転落(21/1/21)

103円台後半での持ち合いから転落

〇ドル円、20日深夜に103.44まで下落、13日昼安値103.52を割り込む
〇バイデン米新大統領の就任式無事終了
〇NYダウ前日比257.86ドル高、ナスダック総合指数260.07ポイント高と大幅上昇し史上最高値を更新
〇政治情勢の安定とコロナ対策の進展期待、政権と米FRBの良好な関係に期待、市場は楽観度を高める
〇米10年債利回り前日比0.01%低下の1.08%、30年債利回り0.01%低下の1.83%と落ちついた印象
〇103.85以下で推移中は一段安余地あり、103.25割れからは103円前後試しへ
〇103.85手前は戻り売りへ、103.85超えからは強気転換注意、19日夕高値104.08試しを想定

【概況】

ドル円は1月20日深夜に103.44円まで下落、13日昼安値103.52円を割り込んだ。1月11日高値で104.39円まで上昇したところから13日昼へ下落し、その後は新たな安値更新を回避しつつ戻り高値は14日昼高値104.19円から19日昼高値104.08円へと右肩下がりとなり、上値抵抗線が切り下がり下値支持線がわずかに切り上がるレンジ縮小型の持ち合いとなっていたが、13日昼安値を割り込んだことにより持ち合いを下放れた。右肩下がりの上値抵抗線との平行チャンネルとなる下値支持線は103.10円台に来ているが、20日深夜に一段安した後も横ばいにとどまっているため下値支持線試しへ動きやすい状況と思われる。

【NYダウは史上最高値更新、為替市場はややまちまちながらドル安基調】

1月20日はバイデン米新大統領の就任式が行われた。新政権発足による大規模な追加経済対策への期待からNYダウは前日比257.86ドル高、ナスダック総合指数も260.07ポイント高といずれも大幅上昇して史上最高値を更新した。既に1.9兆ドル規模の追加対策方針が示されており、19日に上院公聴会に召喚された財務長官候補のイエレン元FRB議長も大きな行動をとるべきとして積極財政政策姿勢を示しているが、与党民主党が上下院の過半を制したために政治情勢の安定とコロナ対策の進展期待が膨らんでおり、また政権と米FRBも連携のとれた良好な関係が期待され、市場も楽観度を高めている印象だ。

株高進行にもかかわらず米長期債利回りは若干低下するなど落ち着いている。米10年債利回りは前日比0.01%低下の1.08%、30年債利回りも0.01%低下の1.83%となった。大規模財政出動による債券需給緩和予想から1月12日にかけて米10年債利回りが1.18%まで急上昇したことが為替市場でのドル高を発生させたが、長期債利回りが高止まりなものの落ち着きを見せ始めたことで為替市場は株高=リスク選好でのドル安という昨年から年明けまでの基調を回復しつつある。
20日夕刻にかけてはユーロやポンドが上昇、特にポンドは昨年3月以降の最高値更新まで上昇したが、いずれも深夜にかけて反落した。豪ドルや南アランド、メキシコペソ等はリスク選好的に上昇、ドル円では円高ドル安等、夜から深夜にかけてはややまちまちな動きも見られたが、ユーロやポンドも深夜以降は持ち直しの動きを見せており、全般的なドル安基調の継続感が強まった印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月14日昼高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとしていたが、19日昼の上昇で104円をいったん超えたために20日朝時点では19日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。また高値形成期は19日昼から21日昼にかけての間と想定されるので既に19日夕高値でサイクルトップを付けた可能性があるとし、19日未明安値割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
1月20日深夜の下落で19日未明安値を割り込んだため弱気サイクル入りとして21日深夜から26日未明にかけての間への下落を想定する。戻り抵抗は103.85円前後までとし、新たな強気サイクル入りは19日夕高値超えからとする。

60分足の一目均衡表では20日深夜への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落している。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、強気転換は両スパン揃って好転するところからとする。
60分足の相対力指数は19日昼の上昇で75ポイントまで上昇したところから失速していたが、20日深夜には30ポイント割れとなった。その後も反騰しきれずにいるため50ポイントを超えないうちは一段安余地ありとし、強気転換は50ポイント超えからとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、103.25円を下値支持線、103.85円を上値抵抗線とする。
(2)103.85円以下での推移中は一段安余地ありとし、103.25円割れからは103円前後試しへ向かうとみる。103.10円以下は反騰注意とするが、ドル安感が強まる場合は102円台後半へ下値目途を引き下げる。また103.75円以下での推移なら22日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)103.85円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、103.85円超えからは強気転換注意として19日夕高値104.08円試しを想定する。104円到達では売られやすいとみるが103.85円以上での推移なら22日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1/21(木)
EU首脳会議
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合、政策金利 (現行 -0.10%、予想 -0.10%)
未 定 (日) 日銀展望レポート
未 定 (南) 南アフリカ準備銀行 政策金利 (現行 3.50%、予想 3.50%)
09:30 (豪) 12月 新規雇用者数 (11月 9.00万人、予想 5.00万人)
09:30 (豪) 12月 失業率 (11月 6.8%、予想 6.7%)
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 17.00%、予想 17.00%)
21:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利 (現行 0.00%、予想 0.00%)
22:30 (欧) ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見

22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 96.5万件、予想 91.0万件)
22:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前週 527.1万人、予想 540.0万人)
22:30 (米) 12月 住宅着工件数・年率換算件数 (11月 154.7万件、予想 156.0万件)
22:30 (米) 12月 住宅着工件数 前月比 (11月 1.2%、予想 0.8%)
22:30 (米) 12月 建設許可件数・年率換算件数 (11月 163.9万件、予想 160.4万件)
22:30 (米) 12月 建設許可件数 前月比 (11月 6.2%、予想 -1.8%)
22:30 (米) 1月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (12月 11.1、予想 11.5)
24:00 (欧) 1月 消費者信頼感速報値 (12月 -13.9、予想 -15.0)

1/22(金)
06:45 (NZ) 10-12月期 消費者物価 前期比 (7−9月 0.7%、予想 0.2%)
06:45 (NZ) 10-12月期 消費者物価 前年同期比 (7−9月 1.4%、予想 1.1%)
08:30 (日) 12月 全国消費者物価 前年同月比 (11月 -0.9%、予想 -1.3%)
08:30 (日) 12月 全国消費者物価・生鮮食料品除く 前年同月比 (11月 -0.9%、予想 -1.1%)
08:30 (日) 12月 全国消費者物価・生鮮食料品・エネルギー除く 前年同月比 (11月 -0.3%、予想 -0.4%)
09:01 (英) 1月 GFK消費者信頼感 (12月 -26、予想 -30)
09:30 (豪) 12月 小売売上高 前月比 (11月 7.1%、予想 -1.5%)

16:00 (英) 12月 小売売上高 前月比 (11月 -3.8%、予想 1.0%)
16:00 (英) 12月 小売売上高 前年同月比 (11月 2.4%、予想 3.9%)
16:00 (英) 12月 小売売上高・除自動車 前月比 (11月 -2.6%、予想 1.0%)
16:00 (英) 12月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (11月 5.6%、予想 7.4%)
17:30 (独) 1月 製造業PMI速報値 (12月 58.3、予想 57.2)
17:30 (独) 1月 サービス業PMI速報値 (12月 47.0、予想 45.0)

18:00 (欧) 1月 製造業PMI速報値 (12月 55.2、予想 54.5)
18:00 (欧) 1月 サービス業PMI速報値 (12月 46.4、予想 44.8)
18:30 (英) 1月 製造業PMI速報値 (12月 57.5、予想 53.0)
18:30 (英) 1月 サービス業PMI速報値 (12月 49.4、予想 45.0)
23:45 (米) 1月 製造業PMI速報値 (12月 57.1、予想 56.5)
23:45 (米) 1月 サービス業PMI速報値 (12月 54.8、予想 53.5)
24:00 (米) 12月 中古住宅販売件数・年率換算件数 (11月 669万件、予想 655万件)
24:00 (米) 12月 中古住宅販売件数 前月比 (11月 -2.5%、予想 -2.1%)


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る