ドル円103円台後半で小動き、リスク選好のドル売り円売りで
21日午前の東京市場でドル円は103円台後半での推移。朝方103.52レベルで取引が始まったドル円は、午前中の取引レンジが103.50-67と20銭足らず。狭いレンジ内で方向感なく推移し、東京時間正午現在は103.53レベルで取引されています。
米国でバイデン新大統領への政権移行が混乱なく行われたことによる不透明感の後退から、市場のリスク選好が回復、ドルと円はともに危険避難的な買いが解消される動きとなり、売買拮抗した形です。
日経平均午前は、政権移行完了への安堵感とバイデン政権の大型経済対策への期待から、ほぼ全業種で上昇、一時300円超上げた後、204円高で終了しています。
昨晩海外市場では、厳重な警戒の下バイデン新大統領の就任にかかわる一連の行事が滞りなく終了。トランプ大統領は就任式への出席を拒否し、スピーチでも最後までバイデン大統領の名を口にせず自画自賛を続けましたが、心配されたトランプ派による暴力的な抗議行動等は報じられず、リスクセンチメントの改善から米株は就任式前から上昇する動きとなりました。結局NYダウ、ナスダック総合指数等の米主要株価指数は過去最高値を更新して終了しています。
一方ドル円はあまり大きな動きを見せませんでしたが、深夜に発表された米NAHB住宅指数が予想外に悪化したことから、一時103.45まで値を下げ、約2週間ぶりの安値をつけました。その後の戻りは鈍く、103円台半ばにややレンジを下げて東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨晩の下落で一時当面のサポートとみられていた21日移動平均線、基準線を下抜けましたが、現状、両線の間での推移となっています。ややレンジを切り下げたことにより、一目均衡表の「雲」との衝突は回避される可能性が出てきました。
尚、先ほど日銀の政策決定会合が終了し、金融政策等に変更はありませんでしたが、同時に発表された3か月ごとの「経済・物価情勢の展望」で景気の現状判断を前回の「持ち直している」から「基調としては持ち直している」に若干後退させ、今年度の実質GDPの予想も中央値で-5.5%から-5.6%に引き下げています。ただ、先行きについては21年度、22年度ともに上方修正されています。
政策発表後ドル円に大きな動きは出ていませんが、後場の株式市場の動きによっては為替にも影響が出る可能性があり、午後の日銀総裁記者会見等要注視です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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