欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

2021年1月21日木曜日:東京時間21時45分に発表予定、ラガルド総裁記者会見は22時30分

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

(2021年1月21日木曜日:東京時間21時45分、ラガルド総裁記者会見は22時30分)

本日は新年最初のECB金融政策会合が開催され、その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。 

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

欧州中央銀行政策金利予想(1月21日9時00分現在)

前回12月時の会合では、市場の予想通り金利には手を付けず、債券購入(PEPP)増額などの追加緩和を実施しました。今回は全くの無風(金利据え置き及び債券購入などの政策は不変)予想です。従いまして、何か先行きの緩和について具体的内容を示唆する発言などあれば、相場の材料視とされそうです。

以下は前回の会合後の記者発表要旨の一部です。

(金融政策決定事項)

パンデミック再発により経済下降の見通しとなり、本日、運営審議会は金融政策を以下の様に再調整した。

第1に、主要政策金利、限界貸付金利、中銀への預金金利は据え置きとし、それぞれ0.00%、0.25%、▼0.50%とした。運営審議会は主要ECB金利が、現行かそれより低い水準で維持すると予想している。期限はインフレ見通しが、その水準としている2%に十分近いものになるか、それ以下でも十分にそこまで収束していく迄である。その収束も一貫して基調インフレ力を反映していることである。

第2に、運営審議会はパンデミック緊急債券購入プログラム(PEPP)を5000億ユーロ増額し、合計1兆8500億ユーロとした。PEPPに基づく購入水準は少なくとも2022年3月末まで延長する。いかなるケースでも、運営審議会はコロナウィルス危機の局面が終了すると判断するまで購入を行う。
また、運営審議会はPEPPの下で購入した債券の満期後、元本再投資の延長を少なくとも2023年末までと決定した。(一部略)

第3に、運営審議会は、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTROV)の3回目シリーズの条件を再調整した。TLTROVの有利な条件の適用期間は12ヶ月延長し、2022年6月末までとした。このプログラムの下で、2021年6月〜12月に新たに3回の追加オペを実施する。更に運営審議会は銀行が借入れられる合計額が、各銀行の適格ローン残高の55%までとし、これまでの50%から引き上げることを決定した。(一部略)

第4に、運営審議会は2020年4月7日と22日に審議会で採用された一連の担保規制緩和は2022年6月まで延長する。
(以下略)
(注)本文の「 」内はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:ECB HPから)

今回の注目点としては、
@ スタッフの経済見通しとの整合性はどうなっているか?
A 前回の議事要旨内で「パンデミック下で、好ましい金融情勢を保つ手段として、PEPP購入の拡大と延長、TLTRO V状況の再調整が最も適切であるとして見ている。」としたが、今後も増額するタイミングやその条件などに言及するか
B 総裁の記者会見で、為替に関する質疑応答があった場合の内容
などが予想されています。

下図はユーロドルの日足チャートです。ユーロ高トレンドラインラインA(=1.2160)とB(=1.2480)を先週金曜日に下抜けてから、Aが抵抗線になっています。下値はC(=1.2050)に軽いサポートありますが、むしろD(=1.2010)がポイントで、ここは大台の心理的サポートにもあたります。もしここを切ってしまうと、E(=1.1930)辺りまでの下押しを想定する必要が出てきます。上値はF(=1.2230)に抵抗線があり、ここを越えて終わらないと、ユーロ高トレンドには回帰しません。
昨年11月からのユーロ高で、かつ10月とのダブルボトムを経てからの上げでしたが、約2ヶ月半経過後に調整入りとなっています。今日のECB金融政策で予想通りの無風なら材料視されませんが、具体的な追加緩和やユーロ高への懸念発言などあれば相場に影響がでそうです。

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想 2枚目の画像

(2021年1月21日10:00、1ユーロ=1.2115ドル)

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