ユーロドルじり高、リスク選好回復と米長期金利低下で
21日の東京市場でユーロドルはじり高推移。朝方1.2107レベルで寄り付いたユーロドルは、米国でバイデン大統領への政権移行が滞りなく実施され、バイデン政権が即日稼働したことからリスクセンチメントが好転、米株先物の上昇と米長期金利の低下でじり高に推移しました。ユーロドルは一時1.2138まで値を上げ、欧州勢参入後に株、米金利が一旦逆に動いたことから小幅反落しましたが持ち直し、東京時間18:00現在は1.2132レベルで取引されています。
ユーロドルは昨晩海外市場で1.2158から1.2077まで一方向に下落。リスクセンチメント改善で全般的にはドルが売られる中で、やや異なる動きを見せました。ユーロエリアでのロックダウン延長が嫌気されたこと、本日のECB理事会で改めてユーロ高牽制発言が出るのではないかと警戒感からポジション調整が行われたものと市場ではみられています。
テクニカルにはユーロドルは昨日の反落でも一目均衡表の「雲」の上限を割り込まず、陰線ながらも上値下値を切り上げて上昇基調を維持しています。本日は1.2142レベルに下落してきた転換線に頭を抑えられた形となっていますが、ここを超えると1.2197近辺を下降中の21日移動平均線あたりまでの上昇余地が出てきそうです。
米国のイエレン新財務長官は、為替レートを市場に委ねる姿勢を上院公聴会で明確にしました。また、他国の為替操作にも厳しい姿勢で臨む方針です。トランプ政権以前、先進国間では為替市場に介入したり、相場をどちらかに誘導しようとしたりすることは意味も効果もないとのコンセンサスが出来上がっており、それに反する行動はほとんど見られていなかったように思えます。それがトランプ政権の自国優先のドル安政策に巻き込まれる形で主要国が混乱していたものがようやく正常化しつつある形です。今晩はECB理事会が開催されますが、このタイミングでECBが為替レートに言及することはないものと思われますが、一応は注意です。また、コロナ感染再拡大で欧州地区のロックダウン延長が相次ぐ中での足元景気判断、前回追加緩和を実行したばかりなので今回政策的には無風と考えられますが、先行きの追加緩和の可能性への言及の有無等も要注目です。
序盤の欧州主要株価指数はまちまちの動き。今晩ECB理事会の結果公表は21:45、ラガルド総裁の記者会見は22:30からです。同時刻には12月住宅着工件数と建築許可件数、1月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数等の米指標の発表、24:00にはユーロ圏の1月消費者信頼感指数の速報もあり、今晩は盛りだくさんです。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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