ドル円 ドル安継続、12月安値をトライ(週報1月第1週)

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

ドル円 ドル安継続、12月安値をトライ(週報1月第1週)

ドル安継続、12月安値をトライ

〇先週のドル円、年末を前に材料出尽くしで相場が動かず、それまでのドル安トレンドを継続
〇週明け早朝のダウ先物大幅高、日経先物高寄り後の反落は日本の景気回復鈍化を懸念した動きか
〇今週は東京都のコロナ対策と株価の動きが週初の主な材料となる可能性
〇米国雇用統計や連日発表される主要国の経済指標に注視
〇5日に米国でジョージア州の上院決選投票、1議席でも共和党が取ればねじれ国会に
〇今週は102.50レベルをサポートに、103.50レベルをレジスタンスとする週とみる

今週の週間見通し

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

先週のドル円は年末相場で市場参加者が減る中、材料が出たら振れ何も無ければ動かないという見方がされていましたが、結局は後者の動かない年末相場に落ちつきました。東京市場が休場となったのも12月31日のみだったということもあり、それまでのドル安トレンドを継続することとなりました。

材料的には12月に主要国の金融政策会合は一巡し、EUと英国との貿易協定もまとまりと、年末を前にして材料が出尽くしてしまったという面も大きかったかと思いますが、次の材料が出るまではそれまでのトレンドを継続しやすく、そのトレンドがドル安であったということになります。

2021年も当初は12月の流れを継続しやすく、世界的な金融緩和の影響でリスク資産に資金が流れ、為替市場は緩やかなドル安という動きから入りますが、国内の状況を見ると新型コロナの感染者が昨年末に急増し今週中にも首都圏飲食店の時短営業要請が行われそうです。年末年始の人の動きが数字として出てくるにはまだ時間がかかりそうですが、週明け早朝のダウ先物大幅高、日経先物高寄り後の反落という動きは、日本の景気回復鈍化を懸念した動きと考えられます。

日本株下落と円高の相関が高いことから今週は東京都のコロナ対策と株価の動きが週初の主な材料となりやすく、また世界的には月初で米国雇用統計をはじめ主要国の経済指標が連日出てきます。方向性が出てくるほどのものはありませんが細かく振れる材料とはなるでしょう。

そして米国では5日にジョージア州の上院決選投票があり、1議席でも共和党が取れば上院は共和党が過半数となり、バイデン政権スタート直後からねじれ議会ということになり、20日の就任式後もすんなりと議会運営は進まなくなります。現状のコンセンサスはねじれを織り込んでいます。また、最終的に大統領選における選挙人の確定は1月6日で、両院合同会議が開かれます。いまだに共和党の一部で選挙結果を認めないとしている議員もいるものの少数派で、さすがにここで事件が起きるとは思えませんが、問題無く会議が終わるということが大前提ですから念の為チェックでしょうか。

材料的には年明けも12月の流れを継続しやすいでしょうから、12月の安値102.88レベルをまずは今週中にもトライ、その後1月中に昨年安値の101.18レベルをトライする流れが出てくるかどうか、早ければ1月中で遅くとも3月末までには101円割れという動きが出てくるのではないかというのが年始段階の見方です。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

チャートは前回から大きな変化はありません。7月高値からのレジスタンスラインとそれに平行に引いたラインとで構成する下降チャンネル(ピンクの太線)の中で緩やかなドル安の流れを続けています。短期的にはトライアングルを構成していた上側のレジスタンスラインと11月安値と12月安値を結んだラインとで構成される下降ウェッジ(青のライン)の中での動きです。

年初時点でこの下降ウェッジは102円台後半から103円台後半に位置していますが、上値については103円台半ばでは着実にドル売りオーダーが出て来ている感があります。今週は12月安値を下抜ける動きを考え、102.50レベルをサポートに、103.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定

(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2021年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

1月4日(月)
**:** NZ市場休場
09:00 東証大発会
10:45 中国12月MarkIt製造業PMI
16:00 トルコ12月製造業PMI、CPI
17:50 フランス12月製造業PMI
17:55 ドイツ12月製造業PMI
18:00 ユーロ圏12月製造業PMI
18:30 英国12月製造業PMI
23:45 米国12月製造業PMI
24:00 シカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁講演
26:15 (クリーブランド連銀総裁講演)

1月5日(火)
16:45 フランス12月CPI速報値
17:55 ドイツ12月失業率
24:00 米国12月ISM製造業景況指数
29:45 NY連銀総裁、シカゴ連銀総裁講演
**:** ジョージア州上院決選投票

1月6日(水)
10:45 中国12月MarkItサービス業PMI
16:45 フランス12月消費者信頼感
17:50 フランス12月サービス業PMI
17:55 ドイツ12月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏12月サービス業PMI
18:30 英国12月サービス業PMI
19:00 ユーロ圏11月PPI
22:00 ドイツ12月CPI速報値
22:15 米国12月ADP全国雇用者数
23:00 英中銀総裁講演
23:45 米国12月サービス業PMI
24:00 米国11月製造業新規受注
24:30 週間原油在庫統計
28:00 FOMC議事要旨公表
**:** 米国議会両院合同会議

1月7日(木)
09:30 豪州11月貿易収支、住宅建設許可件数
16:00 ドイツ11月製造業新規受注
18:30 英国12月建設業PMI
19:00 ユーロ圏12月CPI速報値、消費者信頼感
19:00 ユーロ圏11月小売売上高
21:30 米国12月チャレンジャー人員削減予定数
22:30 米国11月貿易収支
22:30 米国新規失業保険申請数
23:00 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
24:00 米国12月ISM非製造業景況指数
26:00 (セントルイス連銀総裁講演)
27:00 シカゴ連銀総裁講演

1月8日(金)
16:00 ドイツ11月貿易収支、鉱工業生産
16:45 フランス11月貿易収支、鉱工業生産
19:00 ユーロ圏11月失業率
22:30 米国12月雇用統計
24:00 米国11月卸売売上高・在庫

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

12月28日(月)
 東京市場のドル円は買い戻しが目立つユーロドルの動きに沿ってドル売りが先行しました。欧州市場に入りユーロが急速に下げる中でドル円は上昇、NY市場では株価指数が揃って史上最高値を更新する動きとともに、ドル円、ユーロ円の買いとなり103.90レベルの高値をつけた後にやや押して引けました。

12月29日(火)
 ドル円は東京市場ではユーロドルの買い(ドル売り)に引っ張られてドル安となり、NY市場では先物の夜間取引で強かったNYダウが下げに転じたことによる円買いの動きも加わって終日水準を下げる展開となりました。ただ値幅自体は狭く36銭に留まりました。

12月30日(水)
 東京市場は大納会で年内最終日となりましたが、株式市場は前日に最高値をつけて以降は高値圏での横ばいとなるいっぽうドル円は東京朝方から円高が先行しました。仲値すぎに週間安値を更新し東京時間こそ動きが鈍かったものの、海外市場に移って改めて円買いが強まり、NY前場には102.97レベルの安値を見たものの、103円割れでは利食いも出て東京後場の水準に戻して引けました。

12月31日(木)
 東京市場が休場となり流動性が低下する中で荒っぽい動きになるのではないかといった見方もありましたが、上値が重たい程度でNY市場昼前まではじり安、NY市場ではユーロドルが下げる動きに沿ってドル円は前日終値近辺へと買い戻され一年の取引を終えました。

1月1日(金)
 全市場休場

ディスクレーマー

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