トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ、米金利低下が新興国通貨に好材料、トルコリラ安が緩やかに鈍化
〇ドル円での円買いが勢いづいた結果、トルコリラ円は下げが続き下降チャンネル内での動き継続
〇今週の注目材料は政策金利発表、市場コンセンサスは5%の利上げで35%から40%へ引き上げ
〇5.14レベルをサポートに5.24レベルをレジスタンスとする週を見る
先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「2本の水平線、実質的な安値圏5.22と以前の高値5.33に挟まれた水準で横方向のもみあいを考え、そのまま5.22レベルをサポートに、5.33レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が5.15レベル、高値が5.28レベルと、予想よりもトルコリラ安の値動きが続いた一週間となりました。
先週のトルコリラ円は、ドルトルコリラでは米金利が低下したことが新興国通貨には好材料となり、以前に比べてトルコリラ安の速度が緩やかになってきた一方で、ドル円での円買いが勢いづいたことから結果としてトルコリラ円は下げが続く展開となりました。テクニカルには後ほど確認しますが、以前からの下降チャンネル内での動きを継続しています。
今週の注目材料はトルコ中銀の政策金利発表で、コンセンサスは今回も5%の利上げとなっていて、35%から40%へと政策金利が引き上げられると見られています。おそらく中銀としても市場のコンセンサスはわかっているでしょうし、CPIが60%を超えている状況では毎回5%ずつ利上げしていくスタンスは政策金利が50%に到達するまで続く可能性が高そうです。
仮に5%以下の利上げであればトルコリラ売り、7.5%といった予想以上の利上げとなれば一時的にはトルコリラ買いで反応しそうですが、トルコリラにとっては好材料となる米金利低下の動きが、ドル円での円高に影響していることを考えると、反転上昇といった動きまでは期待できなさそうです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先ほど書いたように、上段のトルコリラ円は以前からの平行下降チャンネル内での取引を続け、先週初に上限、先週末に下限をトライするような値動きになっています。また中段のドルトルコリラに目を向けると、以前のトルコリラ安の巡行速度(ピンクのライン)を下回る動きが続き、先々週後半あたりからはそのラインとの距離がわずかずつではあるものの放れてきていることがわかります。
これは以前に比べるとトルコリラ安のペースが鈍っていることを示しますが、理由は米金利低下が新興国通貨にとって好材料という単純な理由であると見られます。
今週も引き続き下降チャンネル内での動きを継続するという従来の見通しに戻し、5.14レベルをサポートに5.24レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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