強い雇用情勢で年内利下げ観測は一段と後退、中国情勢睨みの展開は続く
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、良好な雇用情勢が確認できた一方、不安定な中国情勢が上値を押さえたことなどから100円台でのもみ合いとなった。
豪連邦統計局が17日に発表した9月雇用統計は、就業者数が前月比6.41万人と6カ月連続で市場予想(同2.37万人)を上回った。失業率は8月改定値と同じ4.1%となったが、市場予想4.2%よりは0.1ポイント改善。労働参加率は67.2%に上昇しており過去最高を更新した。
労働市場が引き続き逼迫しているとの見方が高まり、市場が織り込む12月利下げの確率は発表前の46%から30%まで低下。年内の利下げ観測が一段と後退したことで、乱高下する中国株が嫌気されて100円を割り込んでいた豪ドルは100円台を回復した。
豪ドル・円(東京時間:10月14日―10月18日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 100円45銭
高値: 100円98銭
安値: 99円43銭
終値: 100円50銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
10月16日
8時30分、9月Westpac先行指数(前月比)、前回:−0.01%、結果:0.03%
10月17日
9時30分、9月雇用者数、前回:4.26万人、市場予想:2.37万人、結果:6.41万人
9時30分、9月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.2%、結果:4.1%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、目立った経済指標が予定されていないことから、経済的なつながりが深い中国情勢を横目に見た展開となろう。
17日の強い豪雇用統計を受けて、11月5日、12月10日にそれぞれ開催される豪準備銀行(RBA)会合による利下げ観測は一段と低下し、2025年最初のRBA会合が開催される2月(2月17日―18日)から次回(3月31日−4月1日)に利下げ開始時期の見通しは後ずれしつつある。来年の利下げ実施時期に関しては、今後の雇用統計や小売売上高、消費者物価指数(CPI)など経済指標の内容次第で前後するが、今年の利下げを判断する経済指標は、10月30日の第3四半期CPI、31日の9月小売売上高、第3四半期小売売上高、11月14日の雇用統計、27日の10月CPI、12月2日の10月小売売上高、4日の第3四半期GDPと限られている。12月利下げ観測が再燃するには、雇用情勢や小売売上高の急減速や、想定以上のGDP減速など目に見える大きな変化が必要だ。経済指標次第ではあるが、利下げ開始は年明けと見ておいた方が良さそうな状況にある。
一方、中国情勢は非常に難しい。中国当局は矢継ぎ早に景気刺激策を発表しているが、実体経済への効果はこれからのため期待感は高いものの、懐疑的な見方も多い。上海総合指数、香港ハンセン指数は9月20日以降、上昇したが、10月上旬をピークに上げ一服。期待感先行による株の初動は一巡した可能性もあり、中国株の情勢や中国当局による発表内容などを注視する必要があろう。
日足の一目均衡表では、雲上限水準でのもみ合いが続いている。101円水準の100日移動平均線が上値抵抗として意識されている状況だが、雲上限に沿った動きが確認できることで下値警戒感は乏しい。今後、雲上限をサポートに100日移動平均線を捉えてくると、7月24日以来の102円台回復も見えてこよう。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.18
NZドルWeekly 第3四半期CPIは大幅減速も想定線、11月会合での大幅利下げは既に織り込み済み(24/10/18)
今週のNZドルは、第3四半期消費者物価指数(CPI)がほぼ想定通りの鈍化となった一方、不安定な中国情勢などが意識されて、やや上値の重い展開となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.10.18
ドル円150円近辺、三村財務官の牽制発言で小幅反落 (10/18午前)
18日午前の東京市場でドル円は150円を挟んでの動き。
-
ユーロ(EUR)の記事
Edited by:川合 美智子
2024.10.18
ユーロ円 上値余地を探る動き。レンジ内での揉み合いは変わらず(24/10/17)
チャートを見ると、直近の日足は実体の小さい陽線引けとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.11
豪ドルWeekly 乱高下の中国状況を様子見、豪雇用統計でタカ派姿勢が強まるか注目(24/10/11)
今週の豪ドルは、目立った経済指標の発表がないなか、国慶節明けの上海総合指数や香港ハンセン指数の乱高下を受けて、様子見ムードが強まった。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.10.04
豪ドルWeekly 円安加速で7月以来の101円台、豪経済指標まちまちもトレンドは強い(24/10/4)
豪ドルは7月30日以来となる101円台まで上昇した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。