トルコリラ円見通し 円高とリラ安続き8月24日以降の安値更新(23/11/20)

トルコリラ円の11月17日は概ね5.28円から5.19円の取引レンジ、18日早朝の終値は5.21円で前日終値の5.25円からは0.04円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 円高とリラ安続き8月24日以降の安値更新(23/11/20)

円高とリラ安続き8月24日以降の安値更新

〇トルコ円、11/17に5.19まで一段安して8/24以降の最安値を更新、下落基調の継続感強まる
〇ドル円を追いかけて騰落、ドル高リラ安継続によりドル円の反落時に一段安を繰り返す
〇対ドルでは12週連続の下落、8週連続で史上最安値更新
〇トルコ中銀調査、年末は1ドル29.9961リラ、3か月後政策金利40.0%の予想
〇5.24から5.25にかけての水準は戻り売り有利とみる、5.25超えからは5.28前後への反騰を想定
〇5.19割れからは5.17、5.15を順次試して行く下落を想定

【概況】

トルコリラ円の11月17日は概ね5.28円から5.19円の取引レンジ、18日早朝の終値は5.21円で前日終値の5.25円からは0.04円の円高リラ安だった。週間では11月10日終値5.30円から0.09円の円高リラ安だった。
対ドルでリラの史上最安値更新がやまない中、ドル円も152円手前から下落に転じており、トルコリラ円は円高トリラ安の両面から圧される展開となっている。

ドル円は日銀金融政策決定会合や米FOMC等を通過して10月末から11月3日夜にかけて乱高下したところから出直り、11月13日夜には151.90円を付けて年初来高値を更新し、昨年10月21日高値151.94円に迫ったが、その後は米インフレ率の鈍化が顕著となり米長期債利回りが低下したことで下落に転じ、11月17日夜には149.19円まで下げ、150円台へ戻せずに週を終えた。

トルコリラ円はドル円を追いかけて騰落しているが、ドル高リラ安が続いていることによりドル円が年初来高値を更新したようには上昇できず、ドル円の反落時に一段安を繰り返して8月24日高値以降は右肩下がりの展開を続けている。
11月6日午前安値5.21円から11月10日早朝高値5.32円まで上昇したものの、先週はドル円の反落により15日早朝安値5.23円へ大幅下落し、16日未明に5.28円まで戻したものの17日夜に5.19円まで一段安して8月24日高値5.77円以降の最安値を更新した。5.20円台序盤へ戻して週を終えたが、下落基調の継続感が強まっている。

【対ドルでは12週連続の下落、9週連続で史上最安値更新】

ドル/トルコリラの11月17日は概ね28.80リラから28.30リラの取引レンジ、18日早朝の終値は28.65リラで前日終値の28.54リラからは0.11リラのドル高リラ安だった。
週間では11月10日終値28.53リラから0.12リラのドル高リラ安。週間足としては8月最終週から12週連続の下落、9月22日週安値から9週連続で取引時間中の史上最安値及び週末値ベースでの史上最安値更新となった。
11月17日はユーロドルが一段高、ポンドドルや豪ドル米ドルが反発して全般ドル安だったが、トルコリラへの影響は見られなかった。

【トルコ中銀調査、年末は1ドル29.9961リラ、3か月後政策金利40.0%の予想】

トルコ中銀が毎月実施しているビジネス・サーベイによる国内企業トップとエコノミストに対する市場予想調査報告が11月17日に公開された。
CPI(消費者物価指数)上昇率についての予想中央値は、11月の前月比が4.07%、2023年末の前年比が67.23%(10月調査時は68.01%)、12か月後のCPI前年比は67.23%(10月は68.01%)と10月調査からは若干の下方修正となったもののほぼ変わらない高水準となっている。
政策金利の週間レポレートは3か月後で40.00%(10月時点は37.27%)、12か月後で37.01%(10月は37.00%)と予想されていずれも若干上方修正されている。追加利上げが続くものの40%台到達でピークを付けて利下げもあるとの見通しとなっている。
ドル/トルコリラについては2023年末時点で1ドル29.9961リラとされ10月時点の30.0453リラから若干低下したものの1ドル30リラ近辺という水準に変わりはないということだ。
2023年のGDPについては4.1%で10月と変わらず、経常赤字は457億ドルで10月の459億ドルからわずかに下方修正されている。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、11月15日夜に15日早朝安値と同値を付けてから反騰入りして16日未明に強気転換目安とした5.28円を付けたため、16日午前時点では15日早朝とのダブルボトムとなる15日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして16日午後から20日午後にかけての間への上昇を想定した。また戻りは短命の可能性があるとして5.23円割れからは弱気サイクル入りとした。
11月17日に5.23円を割り込み5.19円へ続落したため、16日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして20日夜から22日夜にかけての間への下落を想定する。強気転換には5.25円を超える反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では11月17日夜の下落で遅行スパンが再び悪化して先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、強気転換は両スパンそろって好転するところからとする。

60分足の相対力指数は11月17日夜に20ポイントを割り込んでから戻したものの50ポイント超えへ進めずにいるのでまだ一段安余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは上昇再開として60ポイント台を試すとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.19円を下値支持線、5.25円を上値抵抗線とする。
(2)5.24円から5.25円にかけての水準は戻り売り有利とみる。5.25円超えからは5.28円前後への反騰を想定するが、5.27円以上は反落警戒とし、その後に5.22円を割り込むところからは下げ再開とみる。
(3)5.19円割れからは5.17円、5.15円を順次試して行く下落を想定する。5.16円以下は反騰注意とするが、5.24円を下回るうちは21日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

11月20日
 23:30 10月 中央政府債務 (9月 6兆700億リラ)
11月22日
 16:00 11月 消費者信頼感指数 (10月 74.6)
11月23日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 35.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 11月17日時点 グロス (11月10日時点 846.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 11月17日時点 ネット (11月10日時点 254.5億ドル)
11月24日
 16:00 11月 製造業景況観 (10月 103.3)
 16:00 11月 設備稼働率 (10月 77.4%)
 17:00 10月 海外観光客数 前年同月比 (9月 5.67%)


注:ポイント要約は編集部

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