ECB理事会注目、クロス中心の円安進行も
〇本日のドル円、日銀会合でやや上下に振れるもレンジ抜けず16時現在138.30-35で推移
〇日銀総裁は会見で「為替の動向や経済・物価への影響を十分注視する必要がある」とコメント
〇本日ECBによる政策金利発表、ユーロ/円などクロスを中心に円売りが進展する可能性も
〇本日は7月フィラデルフィア連銀景況指数や週間新規失業保険申請件数などの指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.20
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場はドルが小高い。ただ、次の方向性がしっかり示されたというわけではなく、基本はレンジ内だった。
ドル/円は138.20円レベルで寄り付いたのち、基本は揉み合い。昼ごろに注目していた日銀会合が終了し、「当座預金残高の政策金利をマイナス0.10%で維持」などといった発表が聞かれるなか、やや上下に振れる荒っぽい値動き。しかし、レンジを抜けていく動きには至らなかった。138円前半を中心とした60ポイントほどのボックス圏での一進一退で、16時現在では138.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「欧州エネルギー問題」と「日銀金融政策と為替相場」について。
前者は、定期保守点検のため今月11日から停止しているロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」に関し、依然として情報が交錯。時事通信は「ドイツに供給量を通告したことがわかった」としたうえで、21日からガス輸送再開と指摘していたものの、ロシアのプーチン大統領は「スイッチが切られていればノルドストリーム1を通じたガス供給は停止する可能性がある」と指摘し、逆に再開への懸念を示していた。本21日は、このあと欧米時間にECBによる政策金利発表が予定されているものの、それより「ノルドストリーム」問題が気掛かりといった声も少なくない。
対して後者は、日銀が本日昼ごろに、金融会合の結果として「金融政策の現状維持」を決定した。予想通りで、内容的にも前回とほぼ同じだった。そののち、黒田総裁は会見で「予想物価上昇率は上昇している」などと発言するとともに、為替相場についても言及。具体的には「為替の動向や経済・物価への影響を十分注視する必要がある」、「為替はファンダメンタルズ反映し安定推移がもっとも重要」とコメントしていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
14日の139.39円を高値に19日には137.38円まで、およそ2円の下押しが観測されたドル/円だったが、昨日から本日に掛けての動きをみると、短期レンジの上下ともすでにトライした感がある。つまり予断を許さないものの、短期的には137.38-139.39円といったレンジ取引が続くことになるだろう。ただ、市場は徐々にサマーバカンス入りしつつあることで商いが薄くなるため、間隙を突いた予想外の変動にも一応注意しておきたいところだ。
来週26-27日の米FOMCにおける利上げ幅は、一時取り沙汰されていた「1.0%」との見方は後退したが、それでも「0.75%」で手打ちとなりそう。対して、日本はというと先で指摘したように「金融政策の現状維持」が本日決定している。いわゆる金利差だけが市場決定要因のすべてではないが、こうなるとやはり円を積極的には買いにくいと言わざるを得ない。なお、本日欧米時間はECBによる政策金利の発表が注視されており、その結果如何によってはユーロ/円などクロスを中心に円売りが進展する可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は価格調整なのか時間調整なのか判断に迷うところだが、今回も価格ではなく時間調整の色合いが強まりつつある。19日安値137.38円を下回れば、136円半ばへと達してきた移動平均の21日線をターゲットにした続落も否定できないものの、取り敢えずは19日安値を下限にドルは底堅く推移しそうだ。
レンジの様相を呈しつつあるドル/円よりも、ユーロやポンドの動きが気掛かりといった声も少なくない。
本日は米経済指標として、7月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米企業の決算発表も依然として活発だ。また、米国ではなく欧州ファクターとして、ECBによる政策金利発表とラガルド総裁の会見も合わせて注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.20円。ドル高・円安方向は本日東京高値を含めた138.55-60円の攻防に注目。抜ければ再び139円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、やはり本日東京安値を含めた137.90-00円が最初のサポートか。割り込めば137.38円がターゲットになるものの、取り敢えずは底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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