ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配
〇トルコリラ円、12/25早朝ドル/トルコリラの急伸に合わせ4.4945へ上昇
〇対ドル、12/24は概ね35.26から34.78の取引レンジ、史上最安値更新後に反騰
〇12/26トルコ中銀会合前の持ち高調整によるリラ買い注文の連鎖で急伸、非公式介入の可能性も
〇中銀会合、政策金利は48.50%へ利下げの見込み、予想レンジは47.50%から50.0%
〇12/20未明と12/25早朝の両高値でダブルトップ形成した下落期入りの可能性に注意
〇4.45上回るうちは上昇余地あり、4.50超えからは4.52前後への上昇を想定、4.52前後は反落警戒
〇4.45割れからは4.43前後への下落を想定、4.43以下は反騰注意
【概況】
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
ドル円は19日早朝の米FOMC(0.25%利下げ決定の上で2025年利下げ想定回数を2回に半減)後の米長期債利回り上昇と、日銀の利上げ見送り及び植田日銀総裁の利上げへ向けた慎重姿勢による円売りで19日早朝の154円近辺から20日午前高値157.92円へ急伸し、急騰一巡でいったん156円を割り込んだところも買われて23日夜に157円台を回復し、その後の157円割れも買われつつ25日未明に157.37円まで高値を伸ばした。
トルコリラ円は19日早朝の4.39円近辺から20日未明高値4.4955円を付けて4.50円に迫り、急騰後の調整安値で21日未明安値4.43円まで下落してから上昇を再開し、25日早朝にかけてドル/トルコリラが急伸したために4.4945円へ上昇して20日未明高値に迫った。
ドル円は25日午前序盤に再び157円割れを試しており、12時50分からの日銀植田総裁講演を控えてやや円高気味に推移している。トルコリラ円もドル/トルコリラでのリラ急伸が落ち着いたことで4.46円近辺へ下げて様子見に入っている。
本日は12時50分から日銀の植田総裁が経団連で講演する。日銀が12月19日に利上げを見送った際、植田総裁が午後の会見で利上げ判断についてトランプ政権発足後の状況や春闘動向を見定めたいとの姿勢を示したことがハト派的と受け止められて円安が急加速した。日銀としては過度の円安を避けたいところであり、市場が総裁会見をハト派と受け止めたことに対する修正としてややタカ派的で会合毎に利上げ判断をして1月会合も利上げの可能性を排除しないと言い切れば円高へ進むと思われるが、19日の会見と同様の内容なら円安継続と市場は受け止めるだろう。
トルコリラ円はドル円の騰落を追いかけつつ、史上最安値更新を繰り返してきたドル/トルコリラがリラ高へと風向きを変えられるのか注目したい。
【ドル/トルコリラは史上最安値更新後に反騰】
ドル/トルコリラの12月24日は概ね35.26リラから34.78リラの取引レンジ、25日早朝の終値は34.78リラで前日終値の35.16リラからは0.38リラのドル安リラ高だった。
12月6日から20日安値35.25リラへ取引時間中の史上最安値を11営業日連続で更新して終値ベースでも11営業日連続で最安値を更新し、23日は取引時間中の安値更新を回避したものの終値ベースは12営業日連続の最安値更新としていた。
24日は午後に35.26リラを付けて20日安値を超え取引時間中の史上最安値を更新したが、25日未明から反騰に転じて34.78リラへ上昇した。報道では特段のリラ買い材料やニュースは見られないが、連日のように史上最安値高進を繰り返してきたことで積み上がったリラ売りポジションが、26日のトルコ中銀金融政策決定会合を控えて持ち高調整に入り、リラ買い注文の連鎖で急伸したという印象だ。あるいは中銀の非公式介入だった可能性も否定できない。
12月20日にトルコ中銀が公表した月次ビジネスサーベイエコノミストや企業トップに対する市況予想調査)では、2024年末の為替レート予想が1ドル35.3011リラとされており、ほぼ市場目標水準まで売られたことで売られ過ぎ警戒感が集中したことも考えられる。
一時的なリラの買い戻しによるものなのか、26日の中銀会合を通過しながら継続的にリラが反騰するのか、年末にかけて確り見定めたいところだ。
12月26日のトルコ中銀金融政策決定会合では、政策金利の週間レポレートが現行の50.0%から48.50%へ利下げされると見込まれている。予想レンジは47.50%への利下げから50.0%での据え置きまで分かれている。
【60分足サイクル、一目均衡表分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月20日未明高値をサイクルトップとして21日未明から25日未明にかけての間への下落を想定し、4.47円超えからは新たな強気サイクル入りとしていたが、24日早朝に4.48円へ反騰したため、24日午前時点では21日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして25日未明から27日未明にかけての間への上昇を想定した。
25日早朝に急伸してから反落しているため、20日未明と25日早朝の両高値でダブルトップを形成した可能性があると注意し、4.48円超えからは上昇再開とするが、4.45円割れからは弱気サイクル入りとして26日早朝から28日未明にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では23日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は20日未明と25日早朝の両高値をダブルトップとした下落期入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は25日早朝に70ポイント台へ急伸してから一時50ポイントを割り込んだ。60ポイント超えからは上昇再開とするが、45ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.45円を下値支持線、4.50円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.50円超えからは4.52円前後への上昇を想定する。4.52円前後は反落警戒とするが、4.47円を上回っての推移なら26日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.45円割れからは4.43円前後への下落を想定する。4.43円以下は反騰注意とするが、4.45円を下回っての推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
12月25日
16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 48.50%、予想レンジ47.50%から50.0%)
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月20日時点 (12月13日時点 981.8億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 ネット 12月20日時点 (12月13日時点 654.8億ドル)
12月30日
16:00 12月 経済信頼感指数 (11月 97.1)
12月31日
16:00 11月 貿易収支確報 (10月 -59.1億ドル)
注:ポイント要約は編集部
本稿がFX羅針盤における最終投稿となります。これまでご覧いただきありがとうございました。
今後は「ウェーバーのドル円見通し-FXサイクル分析」( https://marketcycle.livedoor.blog/ )にて、これまでの分析手法による相場見通しを掲載する予定ですのでご利用ください。
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