トルコリラ円見通し ドル円の上昇再開で反発だが、ドル/トルコリラは12営業日連続終値最安値更新(12/24)

トルコリラ円の12月23日は概ね4.48円から4.43円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.46円で先週末終値の4.44円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇再開で反発だが、ドル/トルコリラは12営業日連続終値最安値更新(12/24)

ドル円の上昇再開で反発だが、ドル/トルコリラは12営業日連続終値最安値更新

〇トルコ円、ドル円ジリ高を追い本日早朝4.48まで戻した後も4.46近辺で確り
〇ドル/リラ安に圧されつつ基本的にドル円騰落を追いかけ、11/15高値超えへ挑戦するか
〇対ドル、12/23は概ね35.24から34.91の取引レンジ、12営業日連続で終値史上最安値更新
〇12/26トルコ中銀会合、市場の事前予想は48.50%への利下げが中心
〇トルコ中銀ビジネスサーベイ、年末為替レート予想は35.3011リラ
〇4.44を上回るうちは上昇余地ありとし、4.48超えからは4.50前後への上昇を想定
〇4.44割れを弱気転換注意とし、4.43割れからは4.41前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の12月23日は概ね4.48円から4.43円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.46円で先週末終値の4.44円からは0.02円の円安リラ高だった。
19日早朝の米FOMCが利下げペースを大幅にダウンさせるとしたことによる米長期債利回りの急伸と、日銀が利上げを見送り、植田総裁がトランプ政権発足後の状況や春闘を見たいとしたことで1月利上げの可能性も後退したため、ドル円は19日未明の154円近辺から20日午前高値157.92円へ急伸した。米日の重要イベント通過による持ち高調整で21日未明安値155.95円まで反落したが、23日はジリ高の推移で24日未明に157.26円を付けた後も157円台序盤中心で確りしている。

トルコリラ円はドル円の急伸を追いかけて20日未明に4.4955円を付けて4.50円に迫り、ドル円の反落で21日未明安値4.43円まで下落したが、23日はドル円のジリ高を追い24日早朝に4.48円まで戻し、その後も4.46円近辺で確りしている。
ドル円が11月15日高値を超えて9月16日安値を起点とした上昇を二段目としたことに対し、トルコリラ円はドル/トルコリラが連日にわたり史上最安値更新を繰り返してきたために11月15日高値4.57円には届かずにいる。しかしドル高リラ安による圧迫感よりも円安が勝ることで基本的にはドル円の騰落を追いかけており、年末から年明けにかけて円安が続けばトルコリラ円も11月15日高値超えへ挑戦するのではないかと思われる。

【ドル/トルコリラは12営業日連続で終値史上最安値更新】

ドル/トルコリラの12月23日は概ね35.24リラから34.91リラの取引レンジ、24日早朝の終値は35.16リラだったが、小数点下四桁では35.1642リラで20日終値35.1588リラを超えて12営業日連続の終値史上最安値更新とした。
12月6日から20日安値35.25リラへ取引時間中の史上最安値を11営業日連続で更新してきたが、23日は安値更新を回避したものの終値ベースは12営業日連続の最安値更新となり、24日午前序盤に35.25リラを付けて最安値更新を試している。

米国の利下げが大幅にペースダウンする見通しとなり米長期金利指標の10年債利回りの上昇が続いており、23日も7か月振り高水準へ上昇したこと、来年1月後半に発足する第二次トランプ政権の保護主義政策に対する先行き不透明感と高関税や貿易摩擦の拡大に対する不安感で新興国通貨への売り圧力が高まっていることがトルコリラへの売り圧力となっている。
高インフレ・高金利・リラ安・緊縮財政と欧州や中国の景気低迷がトルコ経済を圧迫して今年4‐6月期、7‐9月期のGDPが2四半期連続マイナス=リセッションとなり10-12月期もマイナス見込みとされていることも重石だが、12月26日のトルコ中銀金融政策決定会合では、インフレ率が低下傾向を見せていることで景気対策を優先して利下げに踏み切るのではないかとの見方も出ている。市場の事前予想は48.50%への利下げが中心で、予想レンジは47.50%から50.0%で据え置きとの見方もある。

【トルコ中銀ビジネスサーベイ、年末為替レート予想は35.3011リラ】

12月20日に発表されたトルコ中銀の月次ビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップに対する市況予想調査)では、2024年末のCPI上昇率が前年比45.28%と予想されて11月時点の44.81%を上回ったが、12か月後のCPI上昇率は同27.07%で11月時点の27.20%から低下した。
2024年末の為替レート予想は1ドル35.3011リラで11月時点の35.7205リラから下方修正(トルコ高)されたが、20日時点で35.25リラを付けている。
政策金利見通しは3か月後で43.50%(11月時点は45.38%)で遅くても年明けの利下げが想定され、12か月後は30.88%(11月時点では30.84%)まで低下が続くと期待されている。

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月18日未明安値をサイクルボトムとした上昇が20日未明高値で一巡して弱気サイクル入りしたとし、ボトム形成期を21日未明安値を含めて25日未明にかけての間とし、4.47円超えからは新たな強気サイクル入りとした。
24日早朝に4.48円へ反騰したため、21日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして25日未明から27日未明にかけての間への上昇を想定する。ただし戻りは短命の可能性もあるので4.44円割れを弱気転換注意とし、4.43円割れからは弱気サイクル入りとして26日未明から28日未明にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では23日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合はさらに下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は21日未明への下落で30ポイントに迫ってから23日夜に60ポイント台へ戻し、その後も50ポイント以上を維持しているので70ポイント台への上昇余地ありとするが、50ポイント割れを弱気転換注意とし、45ポイント割れからは30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.43円を下値支持線、4.48円を上値抵抗線とする。
(2)4.44円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.48円超えからは4.50円前後への上昇を想定する。4.50円前後は反落警戒とするが、4.46円を上回っての推移なら25日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.44円割れを弱気転換注意とし、4.43円割れからは4.41円前後への下落を想定する。戻り一巡後の一段安入りとなるため下げ足が速まる可能性もあると注意する。

【当面の主な予定】

12月25日
 16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
 16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 48.50%)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月20日時点 (12月13日時点 981.8億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 12月20日時点 (12月13日時点 654.8億ドル)
12月30日
 16:00 12月 経済信頼感指数 (11月 97.1)
12月31日
 16:00 11月 貿易収支確報 (10月 -59.1億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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