反発強まりそうだが、26日の中銀会合では利下げ幅に注目
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、注目された日米中銀会合の結果を受けて、買い優勢の展開となり11月25日以来の4.5円台まで買われる場面も見られた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%利下げ決定も、25年末の金利予測中央値が引き上げられ、25年の利下げ回数は9月時点の4回から2回に後退。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性も」などと述べたことからドル買いが広がった。
一方、日本銀行は政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%で据え置くと決定。トランプ次期米政権の経済政策の先行きや、国内の賃金・物価動向を引き続き見極めるとした。据え置きとなる公算が大きかったものの、植田日銀総裁が記者会見で、「追加利上げの判断には、もうワンノッチ欲しい」と発言したことで、25年1月利上げ観測が後退。円が主要通貨に対して全面安となったことで、トルコリラが上昇し、一時11月25日以来の4.5円台まで買われた。
トルコリラ・円(東京時間:12月16日―12月20日)
※Investing.comの日足を参照
始値:4.3985円
高値:4.5041円
安値:4.3695円
終値:4.4395円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
12月20日
16時00分、12月消費者信頼感指数、前回:79.80、結果:81.30
12月26日
20時00分、中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:48.25%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、26日のトルコ中銀による政策金利発表に関心が集中するだろう。市場コンセンサスは50.00%から48.25%への利下げと見られているが、利下げ幅の予想はバラつきが見られることから乱高下必至の政策金利発表となりそうだ。また、カラハン・トルコ中銀総裁の発言も注目される。
11月消費者物価指数(CPI)は前年同期比47.09%増と前回の同48.58%増、市場予想の同46.70%増をともに上回ったことで、12月利下げ観測が一時後退したが、その後に発表された10月失業率、鉱工業生産指数がそろって弱かったことから、12月会合での利下げ観測が再燃した。ただ、根強いインフレと経済との微妙なバランスが必要なため、何bp引き下げるかが微妙な状況にある。カラハン中銀総裁は難しいコントロールを迫られている。
一方、FOMC後、ドルインデックスが2022年11月以来の水準まで上昇するなどドル独歩高となっていることで、ランドなど新興国通貨からドルに資金が流れる可能性はある。今週はクリスマス週間のため大きな流れは発生しないと考えるが、クリスマス休暇明けには「新興国通貨売り、ドル買い」という構図が見られる可能性はある。
日足の一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているが、雲上限を上回る場面が見られた。転換線も基準線を上抜きそうなことから反発基調は強まりそうな状況にある。政策金利発表という重要イベントが控えていることから上下に動く可能性が高いものの、テクニカルでは反発基調が期待できそうな形状だ。
※トルコリラ見通しは今寄稿をもって終了となります。これまでお読みいただきありがとうございました。
トルコリラ円日足
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