対ドルでの最安値更新続くが、ドル円の続伸で連騰し4.50円に迫る
〇トルコ円、ドル円上昇追いかけて12/20未明4.4955をつけ4.50に迫る
〇対ドル、12/19は概ね35.14から34.86の取引レンジ、10営業日連続で史上最安値更新
〇ブラジルをはじめ新興国通貨売りが強まり、リラも売り優勢に
〇4.46以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は一段高余地ありとする
〇4.46割れからは戻り一巡後の下落期とみて4.45、4.44を順次試す下落を想定
トルコリラ円の12月19日は概ね4.49円から3.39円の取引レンジ、20日早朝の終値は4.48円で前日終値の4.42円から0.06円の円安リラ高だった。
19日早朝の米FOMCが予想通りに0.25%利下げを決定した上で2025年の利下げ想定回数を9月時点の4回から2回へ半減させて2026年も2回利下げ想定としたことで利下げペースが大幅にダウンして今後の展開次第では休止もあり得るとの見方が強まり、米長期金利指標の10年債利回りが急伸して為替市場はドル全面高となりドル円は12月16日深夜高値を超えて一段高に入った。
19日の日銀金融政策決定会合が利上げを見送り、植田総裁がトランプ政権発足後の状況や春闘を見たいとしたことで1月利上げの可能性も後退したことと、夜の米GDP確定値が改定値から上方修正され、失業保険申請件数も前週から減少するなど総じて強めだったことで米10年債利回りが連騰となり、ドル円は20日未明に157.80円を付けて11月15日高値156.74円を超え、20日午前序盤には157.90円台へ続伸している。
トルコリラ円は、ドル/トルコリラで10営業日連続のドル高リラ安となり史上最安値更新が続いているものの、円安効果が勝ることで20日未明に4.4955円を付けて4.50円に迫った。
為替市場はドル全面高であり、新興国通貨の下落も目立っているが、クロス円全般は円安が勝ることで上昇している。ドル円が160円へ徐々に迫れば市場介入への警戒も高まり、政府高官による口先介入等もあり得るが、勢い付いた相場は市場介入への姿勢を問いながら挑発的な上昇を続けやすく、年末にかけて円安が加速する可能性もあると思われる。
トルコリラ円は引き続き、ドル高リラ安に注意しつつ、ドル円の上昇を追いかける流れと考える。
【ドル/トルコリラは10営業日連続で取引時間中及び終値の史上最安値更新】
ドル/トルコリラの12月19日は概ね35.14リラから34.86リラの取引レンジ、20日早朝の終値は35.07リラで前日終値の35.03リラから0.04リラのドル高リラ安だった。
12月6日から18日へ取引時間中の史上最安値を9営業日連続で更新して18日に35.07リラを付けて初めて35リラ台に到達したが、19日もドル全面高を背景に10営業日連続の史上最安値更新とした。日足終値ベースでも12月6日から19日まで9営業日連続で最安値更新として18日終値35.03リラで初めて35リラ台に乗せてたが、19日も10営業日連続で最安値を更新した。
【新興国通貨売り強まる】
米FOMCが2025年の利下げ想定回数を9月時点の4回から2回へ半減させ、2026年も2回と想定したことで、これまでの利下げ継続期待感が薄れ、今後の米経済指標が強めで雇用情勢に顕著な悪化がみられずインフレが高止まりするなら利下げ休止もあり得るとの見方が強まっている。
米長期金利指標の10年債利回りは18日から19日への連騰で11月15日高値を超えて9月以降の最高を更新してドル円は157円台後半へ急伸した。
ユーロドルは19日早朝への急落で9月25日以降の最安値である11月22日安値に迫り底割れへ余裕が乏しく、ポンドドルは20日早朝への下落で9月26日以降の最安値である11月22日安値に迫っている。
豪ドル米ドルは19日の急落で9月30日以降の安値を更新して昨年10月以来の安値とし、南アランドも9月30日以降の最安値を更新した。人民元も19日に9月27日以降の最安値を更新している。
新興国通貨も売り優勢となり、ブラジルレアルが史上最安値更新、韓国ウォンが15年ぶり安値、インドルピーが史上最安値更新、インドネシアルピアが4か月振り安値とし、ブラジル中銀とインド中銀が市場介入を行い、インドネシア中銀とタイ中銀は口先介入で牽制した。
トルコリラも新興国通貨安の流れで売られている。
【60分足サイクル、一目均衡表分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月16日深夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして18日未明から19日夜にかけての間への下落を想定し、早ければ18日未明安値でボトムを付けた可能性があるとしていたが、19日早朝の急伸で強気転換目安とした4.40円を超えたため、19日午前時点では18日未明安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日深夜から24日未明にかけての間への上昇を想定した。
20日未明へ急伸してからも一段高状態を維持しているので4.50円台序盤への上昇余地ありとするが、急騰後の反動安も警戒されるので4.46円割れからは弱気転換注意として4.44円前後への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では19日早朝への急伸で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き返し、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、高値更新が滞れば遅行スパンが悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とし、先行スパンの上限を試すとみる。ただし、先行スパンを上回るうちは遅行スパンがその後に好転するところから上昇再開とする。
60分足の相対力指数は19日夕に80ポイントを超えてから20日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるので反落注意とし、70ポイント超えからは上昇再開と一段高を想定するが、60ポイント割れからは弱気転換注意として50ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.46円を下値支持線、4.50円を上値抵抗線とする。
(2)4.46円以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は一段高余地ありとし、4.50円超えからは4.51円、4.52円を順次試す上昇を想定する。4.51円以上は反落警戒とするが、4.47円を上回っての推移か直前高値から0.03円を超える反落が発生しないうちは週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.46円割れからは戻り一巡後の下落期とみて4.45円、4.44円を順次試す下落を想定する。4.44円以下は反騰注意とするが、4.46円を下回っての推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
12月20日
16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)
12月23日
17:00 11月 海外観光客数 前年同月比 (10月 9.25%)
12月25日
16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%、予想 48.50%)
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月20日時点 (12月13日時点 981.8億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月20日時点 (12月13日時点 654.8億ドル)
注:ポイント要約は編集部
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