東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か（24/12/25）

【本日の東京市場】

東京時間（日本時間8時から15時）のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。

昨晩の海外時間では、12月リッチモンド連銀製造業指数の改善も支援し、長期金利の下げ渋りを受けドル買いが引き続き優勢となった。その後、米5年債入札が好調で金利やドルは伸び悩んだ。日米金利差縮小観測の後退で、円売りも優勢となったが、値幅30銭未満の小動き推移。157円台前半でのもみ合いとなった。

東京時間では、クリスマス休暇に伴い静かな相場展開となったが、13時過ぎに、植田日銀総裁が経団連審議員会にて、「日本銀行は２％目標の持続的・安定的な実現に向けた移行期にあたる現時点においては、景気・物価に中立的となる中立金利よりも政策金利を低くすることにより緩和的な金融環境を維持し、経済をしっかりとサポートしていく」「経済・物価情勢の改善が続いていくのであれば、それに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが必要になる」などと発言。目立った内容ではなかったが、50銭ほど円安ドル高に推移する場面が見られた。

ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：157円12銭
高値：157円51銭
安値：156円99銭
終値：157円35銭　

ユーロ・円（日本時間8時―15時）
始値：163円41銭
高値：163円96銭
安値：163円34銭
終値：163円71銭

豪ドル・円（日本時間8時―15時）
始値： 97円89銭
高値： 98円18銭
安値： 97円83銭
終値： 98円10銭

ポンド・円（日本時間8時―15時）
始値：197円02銭
高値：197円61銭
安値：196円82銭
終値：197円33銭

日経平均（日本時間9時―15時30分）
始値：39168円52銭
高値：39180円59銭
安値：38927円16銭
終値：39130円43銭（前日比＋93円58銭）

【本日の海外市場の重要指標】

特になし

クリスマスのため米国、欧州、英国など主要市場が休場
※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間も、多くの欧米市場がクリスマス休暇による休場のため、昨日以上の商い閑散となろう。多少、植田日銀総裁の発言の余波が残っていることから、やや円安に振れそうな状況だが、勢いは弱いと考える。

市場では、足元の円安を食い止めるために「タカ派」な発言が出るとの観測もあったが、植田日銀総裁が従来の発言の範囲内に留めたことから安心感による円安が進んだもよう。あくまでも安心感による円安進行なため、一気に158円台を窺うような勢いはないと考える。

基本的には、為替のメイン市場であるロンドン市場、NY市場ともに参加者が少ないことから方向感には乏しくなろう。薄商いのため多少は上下に振れるリスクがあるものの、小動きの展開を想定する。

日足の一目均衡表では、徐々に切り上がっていく雲上限を上放れているほか、遅行スパンも明確に実線を上回ったことからテクニカル面は良好だ。11月15日の戻り高値156円76銭を明確に上回ったことから反発基調は強い。テクニカルでは158円台を試す展開と考える。

今晩の海外時間も引き続き小動き推移の展開を想定する。上値メドは157円60銭、下値メドは157円00銭とする。

※ドルデイリー見通しは今寄稿をもって終了となります。これまでお読みいただきありがとうございました。お読みいただいた皆様、編集担当者様、またどこかでお会いしましょう。